第8話 夜襲 パート2

俺はアビスとリーナの間に割って入り、手で受け止める。


「リーナ大丈夫か」


「はい」


「リーナに手を出させない」


俺はポカンとしているアビスに言い放った。


「助けに来てくれてありがとうございます」


リーナが笑顔で言う。か、可愛いなって思っている場合じゃなかった!。


俺はリーナを殺しにかかって来た奴を睨み付けた。


「なんだ?おまえ、俺と殺るって言うのか?」


「あっ、今朝の………………なるほど。逆恨みか……………」


「これは逆恨みじゃない!」


「まぁ、なんでもいいけどな、ここからは俺が相手だ」


「おい、おまえ……………俺に簡単に勝てると思っているのか?」


「さて、どうかな」


俺が曖昧な返答をしたのが気に食わなかったのか、すぐに斬りこんできた。


一応アビスを鑑定してみるか。


固有能力ユニークスキル 神眼(鑑定)》



【名前】アビス 【男】【140才】

【種族】魔族 【レベル】200

【称号】魔王の元騎士、剣士


【体力】 7000

【魔力】 950

【攻撃力】9000

【防御力】5000

【瞬発力】3000


能力スキル】身体強化、闇魔法、物理攻撃半減

【加護】魔神の加護



(ステータス結構高いね。さすが元ユリウスの騎士だね)


「リーナ離れてて」


俺がそう言うとリーナは後ろに下がる。


「さてと、さっき作った刀を試してみるか」


俺は刀を抜刀し、アビスの剣を軽々弾いた。


「次はこっちから行くぞ」


アビスに軽く刀で攻撃した。


「うっ」


アビスが剣で受け止めた。

軽く振り下ろしただけどアビスにとって重い一撃だと思う。


アビスはたまらず後退する。


「よくやるね、今の攻撃を受け止めるなんて。たが、これで終わりだ」


能力スキル 身体強化》


《闇魔法 重力操作》


すると、身体がいきなり重くなった。


恐らく身体強化でステータスが大幅に強化されたことにより、魔力量が増え、重量操作の効果が強まったのであろう。


動きが鈍くなった俺にアビスは攻撃を仕掛ける。


しかし、


カキーン


俺は軽々、攻撃を受け流した。

その有り得ない状況にアビスは動揺を隠せない。


「なぜだ?身体強化で重力操作の効果は上がってるはず‥‥‥‥‥」


「そもそも発動してないよ」


「ど、どういうことだ?!」


「俺の刀は特別性でね。今日作ったんだけどやっぱ出来がいい。魔力吸収と魔法無効があるからね」


「魔法無効……だと」


「魔法無効は俺が魔法を受けた時、発動するんだけど…………まぁ、教えても意味ないか。もしも、アビスが謀反を起こしたらユリウスが処刑していいって言ってたし」


「ひぃーー」


「じゃあね。アビス」


ザッキーン


俺はアビスを一刀両断した。


その事について何も思わなかった。

だって人を殺そうとした奴に持ち合わせている慈悲が俺にはないのだから。

てか、物理攻撃半減があったのに半減しても殺られるとか弱すぎ。


俺はアビスの遺体を横目にリーナに駆け寄った。


「大丈夫だった。リーナ?」


「……………あっ、はい」


「リーナ、少し顔が赤い気がするんだがどこか具合が悪いのか」


「そういうわけではないです」


俺がそう聞くとすぐさまリーナが否定した。


すると、二人の間にはなんとも言えない空気が流れた。


その空気に耐えられなかったリーナが話題を持ちかけた。

出会った時みたいだな


「あのさっき使ってた武器はなんですか?」


やっぱり気になるか。

俺は少し禍々しい刀を見つめて、リーナに視線を戻す。


「その前にリーナの怪我治そう」


「治せるんですか?」


「うん。ちょっと待っててね」


《光魔法 完全治癒パーフェクトヒール


「よし治った。リーナ違和感ない?」


「…………………」


リーナが硬直している。どうしたんだろう?


「な、なんで伝説の完全治癒パーフェクトヒールが使えるんですか」


「なんでって使えるから?」


「使えるからってそんな事で魔法を使えるなら苦労しませんよ」


「だったら俺が特別って事で」


「……………そういう事にした方が良さそうですね」


リーナが納得してないけど納得したって顔で見てくる。


この魔法って伝説って言われるくらいレアなの?

もう少しこの世界の常識を覚えるべきかな?


「もう一度聞きますけどその武器は何ですか?」


疲れたようにリーナが聞く。


「この刀はね、妖刀サラミチって言ってね。


魔力を吸収する事に刀の威力どんどんが上がる。ただし、一分間で吸収出来る魔力が決まっている。(相手のみ)後、魔法を無効にすることが出来るって言う物だ」


あっ、またリーナが固まっている。


「そういう物をどこで手に入れたんですか?」


気を取り直したリーナが質問してきた。


「自分で作った」


「アハハ、そうですか。私はもう神人さんの事で驚きません」


「そうするといいよ」


俺はサラミチを無限収納にしまった。


「…………………なんで無限収納まで持っているんですか?」


「異常なのは分かっているからもう驚かないで」


「そうですね」


リーナが呆れた顔で言って来た。


と、話しているとドアが開く音がした。


「リーナ無事か」


「お、お父様」


ユリウスが部屋に入ってきた。


「未來、お前が助けてくれたのか?」


「まぁね」


「未來がいうアビスがリーナを襲うかもしれないという予感が当たったな」


「そうだね」


ユリウスがアビスの死体を見て言った。


「まぁ、コイツの墓でも作ってやるか」


「そうだね」


「でも、明日埋めよう。今は夜だから」


「でも、魔族死体は腐りやすいぞ」


「その心配には及ばないよ」


俺には最近作った能力スキル、時空魔法があるんだから。


《時空魔法 停止タイムストップ


停止タイムストップで死体の時を止めて無限収納で死体を収納した。


「未來、我の見間違えじゃなければ死体の腐敗が止まったように思うのだが……?」


「その通りだよ」


「お主はいつそんなものを使えるようになった」


「最近使えるようになった」


「未來の規格外は今に始まった事でもないか」


「まぁ、うん」


俺は自分でも規格外だと思うから否定が出来ない。俺はリーナの部屋が血にまみれだったので水魔法と光魔法できれいにしたらユリウスとリーナに「魔法はそんな器用に使う者はあまりいない」って言われて呆れられたりして俺とユリウスは自室に戻っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る