第4話 魔王の過去
俺は大広間にてユリウスに話しかけた。
「ユリウス、君に手を貸すかどうか少し見定めたい」
「見定める?何をするんだ?」
「少しそこでじっとしてて」
「分かった」
俺がそう言うとユリウスは素直に従った。
そして、神眼を行使してみる。
しかし、上手く使えない。
俺はマナに使い方を聞いてみる。
「神眼ってどう使うの?」
『神眼は目に魔力を集中すれば使えます』
「魔力を目に集中するにはどうすればいいの?」
『《
「分かった。作ってみる」
《
《
『
「……………これで出来た」
『はい』
「それにしてもこの『〜〜を獲得されました』っていう報告みたいのって少しうるさいだけど」
『分かりました。次からはなくすようにします。それよりも早く神眼を試してみてはいかがでしょうか?』
「そうだね。やってみるか」
マナと会話している間、ずっと動かないでいたユリウスが悲痛の声を上げる。
「未來、まだか」
「あっ、ごめん。すぐ終わらせるから」
《
俺はユリウスの過去、どんな奴かを見た。
見てしまった。
ユリウスは破壊神と暗黒神の息子らしい。
10世紀前、破壊神と暗黒神が神界、人間界、魔界を荒らしてたらしい。破壊神と暗黒神は息子のユリウスが倒したんだけど神たちはタブスを危険視して魔界に追放したらしい。そして、今幸せになれる安心場所だった。だが、そこで戦神サタンが他世界から勇者を呼び寄せたらしい。
ほとんどの神はユリウスをそっとしとこうと思っている中、サタンは違った。多分、サタンにとっては遊びなんだと思う。ユリウスは悪い奴じゃない。自由が好きな奴だ、俺はサタンを許せなくなった。
「ユリウス。決めたよ、俺は君たちと一緒に戦う」
「本当か!」
「ああ」
俺がそう言うとユリウスが手を取り、涙を流している。その姿に泣くほどの事かと思いつつ、泣き止むのを待つ。
その時、横から誰かが俺に向けて言葉を放った、
「その決断は早い。私がお前の実力を試してやる。負けたらここから消えろ」
「ナタル、話に割り込んで来るでない!」
言葉を放った人物を見るとそれは羽を生やした男だった。こいつ、ナタルという名前だったのか。
そのナタルに対してユリウスは抗議の声を上げる。
「魔王様は言いました。コイツと戦っていいって」
「ああ、言ったな。だが、コイツと戦わない方がいいぞ。今ので確信した」
「それはどういうことですか。私が負けるとでも言うんですか?」
ナタルがそう言うと周りにいる配下たちも「ナタルさんは魔王直属の四剣魔なんだ。人間ごときに負けるはずがない。いくら魔王様でも言っていい事と悪いことがある」と言う声が多数あり、ユリウスが折れたのか俺の方を向いた。
「未來、やってくれるか?」
「俺、戦いの世界とは無縁だったんだけど」
「すまない。魔族は力の掟というものがあって力がある物が絶対ということになっている。だから、お前の力をここで証明して欲しい」
「え、えー」
俺は不安のあまり声を漏らす。
(これって強制だよね)
俺は思わずマナに勝てる可能性があるか聞いてみる。
「ねぇ、マナ?勝てるかな?」
『圧勝だと思います。一応、神眼の能力の一つ鑑定眼でナタルっていう人のステータスを見てみたらいいと思います』
「分かった」
《
【ナタル】 【男】 【219才】
【種族】魔人族 【レベル】180
【称号】魔王の側近、魔神に愛された者
【体力】 1000
【魔力】 1500
【攻撃力】 1100
【防御力】 900
【瞬発力】 1200
【
【加護】魔神の加護
「ステータスがかなり差あるけど、本当に勝てるの?」
『私がついているので大丈夫です』
「それは頼もしいのな」
そう言って言い切ったマナは顔が見えないがドヤ顔をしているのが目に浮かぶ。
そんな頼もしいマナに聞いてみる。
「ねぇ、精霊魔法って何?」
『精霊魔法は、精霊を召喚し力を借りて作る魔法です。ただし精霊に愛されてなければ使えません』
「なるほどな。だったら、属性魔法は何から作る魔法なの?」
『魔力からです』
「そうか。教えてくれてありがとう」
精霊魔法面白そうだな。時間があったらマナに精霊の使い方を教えてもらおっと。
「審判は私がやります」
そう言って俺とナタルの間にナルさんが割り込んだ。
「ナル、頼むぞ」
「はいっ。………………両者、構え…………始め」
俺とナタルの戦いが始まった。
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