第4話 本当はね、

「集まって〜!」

みんな、精一杯走って集まる。


そんなの、なにされるか分からないからに決まってる。


だってこの子、従わなかったときに考えることが一番怖そう。


「早く集まれ、そこ」


「す、すみませんっ、!」

「走れ。早くしろ。」


知らない人たちだけど、ものすごく助けてあげたい。


どうしてこんなことするの?

「遅いなぁ。」


「……っ、」

「さよなら。」


「待っ……!」


ドンッ


床に穴が空いて……見てしまった。

――落ちたんだ。


やっぱり、みんなもう諦め始めてきてる。


だって――

無理だから。


鬼ごっこなんて無理だから。

そんなの本当に無理に決まってる。


願いが叶ったって、叶えたい願いがなければ

そんなのもう関係なくなる。


「ここには、願いを叶えたい人しか集まってないよぉ?」


「うわっ!」

「もうみんなどっか行っちゃったけどぉ?」


「お友達作んないんだねぇ」

「友達……?」


「うん、お友達!」

「友達なんて、作ったところで、!」


「作ったところで?」


「結局みんな死ぬんじゃん……、」

「意味ないじゃん、」

「裏切られたらどうすんのよ」


「結局だなんて、酷いなぁ」

「せっかく集めてあげたのに」


「不幸だよ!!」


「私たちがなにされてもおかしくないのに、いつまでも笑って!!」


「あなたはいつもそうなんだよ!!」


「確実に私たちが死ぬようなやり方で、」

「私たちが結局死ぬって分かってるのに逃げるんだよ!!」


「……、」

正直、これを言うのにはかなりの勇気がいる。

なにされるかわかんないのに。


結局みんな死ぬって分かってるのに。

先に死にたくない。


だけど、

「私も、死にたくないな、笑」


「鬼ごっこなんて、そんなの子供らしいからに決まってるじゃん、笑」


「鬼が一斉に出てきて、止められなくなったんだよ」

「だから、鬼ごっこなんて名前をつけて、」

「今、誤魔化してるんだ、笑」


「どういうこと?」

「……ごめん、もう無理。」

「待って、!」

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