第3話 あの子。
目を覚ますと、家にいた。
あの子、なかなか演技が上手いなと思う。
所々本音なのか、全然違う声で喋るし、
なによりも怖い。
数百名の仲間がいるとしても、
その数百名は面識のない知らない人たちだらけ。
ここでコミュニケーションをとって、
友達や知り合いになったところで、
役に立つわけではない。
結局逃げ切れればいいだけの話。
だけど、鬼の居場所が分からない。
昨日、30人が居なくなった。
つまり、鬼はどこかにいる。
叫び声などもなにも聞こえずに、
30人が、行方不明に。
なにがあったのだろうか。
鬼ごっこらしくない。
行方不明なんて、そんなのもう事件だよ、
どうしてこんなことになってしまったの?
あの子、本当に何者なのか。
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