28 訪れた休息


「疲れた……もう駄目……」


 身も心も疲れ果てた俺。

 結局後片付けを終え、部屋に帰ってきたのは、朝日が昇る前の時間帯。

 本来なら、あともう少しで起床して普段通りの生活を送ることになる。


「うわっ……二時間しか眠れないのか……」


 嫌になる。

 俺はたっぷり眠らないと動けないタイプだ。

 どうせ出勤してから、さっきあった報告書も上げないといけない。

 そしてヴィグナリア将軍にいつものように怒られる……。


 それに……今日、シシィにキスをされた……。

 キス。シシィの唇、柔らかかった。

 明日、俺、シシィにどんな顔で会えばいいのだろうか……。


 あー、いろんな意味で朝を迎えるのが嫌になってきた……。


「もういい。とりあえず横になろう」


 ベッドに向かい横になろうと思ったのだが。


「に、にゃ~……」


 黒猫がいた。しかも、すごく傷ついている。


「ど、どうした! その傷は? お前、何があった!?」

「に、に~……」


 傷ついた猫が甘えたそうにこちらに近づいてくる。

 可愛いより先に、その傷の事が気になった。

 持っていた傷に効く塗り薬を取り出す。


「待ってろ! すぐに治療してやるからな!」

「ふに!? にっ!? にゃ~っ!?」

「こら暴れるな!?」


 俺は暴れる猫に全身くまなく塗り薬を掛けてやる。


「ふ。ふにゃ~……」

「よしこれでいいだろう!」


 猫の全身に塗り薬を塗り付けてやった。

 塗り薬をつけて分かった、こいつは雌だった。まぁ、だからどうしたってわけはないのだが……。


「お前、いったいその怪我どうしたんだ?」

「ふにゃ~」


 聞いても猫は鳴き声を上げるだけ。

 そうだよね……。


「まぁいいか……お前も一緒に寝るか?」

「ふにゃ~!」


 俺は猫と共に一緒にベッドへと入った。


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