第14話
意外と人間って上手いんだな。老いてたしもっと美味しくないものかと思ってたけど、丸々となれば色んな部位が楽しめたし、骨が煎餅みたいで美味かったな。共食いは危険的なことを前世では聞いてたが俺人間じゃないしセーフだわ。
「「結構美味かった」」
『そんなことどうでもいいわ。奇跡は使えるの?記憶は分かるのかしら?呪いの仕組みは?』
ああ、そうだ。俺たちの目的を忘れかけていた。外見的変化は無さそうだ。内面的には、、、なんだか力が湧いているような気もする、あまり神聖な感じはしないが。記憶は、、、なるほど。
「「奇跡は使えると思う。経験で使い方がわかる感じかな。でも、記憶の方はダメそうだ。これは吸収できなかったってよりは元々ボケててなんも覚えちゃいない」」
『ちっ、使えないわね。』
しかし、気になることが1つある。彼女の記憶に残っている数少ない情報のうちのひとつ。それは、、、
そんなことを考えていたその時、コンコンとドアがノックされる音がする。
「お祖母様?すこしいいですか?」
そこに居たのはメルティーナの孫娘であり、俺が森でであった貴族然としていたお嬢様である、メルフィリーナであった。
「キャー!!!誰か!侵入者よ!!」
そう彼女は大声で叫ぶ。彼女は扉を開けた状態でまだ部屋に入ってはいない。よって彼女の声は屋敷中に響き、ドタドタと大勢が走ってくる音がする。
『さっさと退散するわよ』
「「はあ?逃げなくても全員殺せばいいだろ!」」
『そんなことをする意味が無いわ。すぐに次の標的にむかうわ。それに、貴方食べ足りないだけでしょう。無駄に大事にするのはナンセンスよ。』
そう言われ、箒に跨り飛んでいくマリーに続いて、窓からでて塀を飛び越える。
「「瞬間移動とかできねぇの?」」
『そんな事出来るわけないでしょ』
そんな会話をしながら追手を撒き、森のマリーの家へと戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます