第12話
どうも標的は既に三聖を引退しており、この山の近くで隠居しているらしかった。
夜になり、光の差さない暗い山を降り、その住居へ向かう。ここでふと疑問に思った。
「「なんで居場所がわかってて敵なのに殺しとかなかったんだ?」」
『殺したところで呪いは解けないわ。それに、直接殺すより墓で嘲笑ってやる方が趣があるでしょう?』
いまいちわからん感性だ。
『着いたわ』
そう言われた時に、目の前にあったのは石造りの立派な豪邸だ。トラックが通れそうな横幅と2mはある鉄でてきた門に、もう真夜中だと言うのに門番が2人立っている。
『とりあえず裏に回るわ』
俺たちは石壁の周りを伝い、一階の窓のある部屋から入り込む。そこは客間だったようで机と椅子、いくらかの高そうな調度品が置かれていた。
『ここからは極力喋らないでちょうだい。案内は私がするわ』
そう言ってマリーは何かを探る様子もなくスタスタと歩いていく。奇跡とやらで探っているのか、来たことがあるのだろうか。
そのまま階を上がることも無くある部屋の前に着いた。そのままなんの躊躇いもなく部屋に入る。
『もう喋っていいわよ。この辺の音は外に聞こえないようにしたから。』
どうも音を消す奇跡を使ったらしい。
部屋の中は金があるのだろう。上品な家具や調度品がそこかしこに置いてある。そして扉から対角線上にある角に大きなベッドに老婆が眠いっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます