第9話

そんなこんなで協力関係?になった僕達であるが、解呪を会得するためにちょうどいい獲物とかいるのだろうか?


『今考えているのだと呪虫か、呪術師の人間あたりかしら。大物で言うなら魔国で封印されてる黒呪龍なんかもいるわね。』


ナチュラルに人間が選択肢にある感じ、人外って感じがするね!


「「魔国ってどこ?」」

『魔国は...いや、この大陸について話した方が良さそうね。この大陸はエンドと呼ばれていて主に三つの国でできているわ。ひとつが今いる聖教国セイン、聖神を信仰する聖教を国教に定めていて、だいたい大陸の四分の一、西北部を支配しているわ。次に魔教国マジク、魔神を信仰する魔教を国教としていて、領土は聖国と同程度で東北部にあるわ。最後に大陸の半分を占める自由国家フリー、全ての神は同格であり全てに差はないと考えられているわ。』

『セインでは奇跡と呼ばれる術を、マジクでは魔法を使うわ。フリーにはそういった術はないのだけれど、身体能力が高かったり感覚が鋭かったり様々ね』

「「奇跡とか魔法はどうやって身につけるの?」」

『それぞれの教会で三日間断食して祈りを捧げるのよ、それを無事達成出来れば何らかの術が使えるようになるわ』

「「マリーはどっちなの?」」

『両方とも使えるわ、方法は秘密よ』


裏技があるみたい。裏教会みたいな違法な場所でもあるのかな?


『貴方は大概のことは知らないようだけど、何なら知ってるのかしら?』

「「名前付けてくれたのに呼んでくれないんだね」」

『そんなことはどうでもいいでしょう』

「「はいはい。分かるのは言葉と魔物くらいかな。例えばスライムとかオークとかドラゴンとか」」

『ふーん、強くなるために要りそうな知識ってとこかしら。じゃあ、強くなるのに今必要そうな魔物は何かしら?』

「「うーん、とりあえず生存能力に振りたいからスライムとフェニックスかな」」

『あら、それならちょうどあるわよ。乾燥スライムとフェニックスの羽。ただスライムがいるのかしら?雑魚じゃない。』

「「準備がいいね!スライムは食べとけば別の魔物の特性を引き出しやするなるっぽい。」」

『ふーん、なるほどね。それは術の触媒だったり、薬だったりに使ったのよ。』


そう言ってガラス瓶に入った1枚の真っ赤な羽と眼鏡のレンズのようなシリコンっぽい触り心地のものを渡してきた。


『一応外で食べてきなさい』


外の庭に出て、まずは乾燥スライムから食べてみる。グミのような食感でほんのり甘い気がした。次にフェニックスの羽を食べようと瓶から取り出すと、羽が燃えだしその先から肺になっていく!


『早く食べなさい!』


そう言われ慌てて口に運ぶ。片方の口をぐじゅぐじゅに焼かれながらも無理やり飲み込む。すると熱が喉を通り胃の中で暴れる。


「「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙?!」」

『まあ、そうなるわよね。ちゃんと死なないように回復してあげるから頑張ってちょうだい』


ざっけんな、あのクソアマァァァ!!


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