第2話 身勝手な相棒

時計を見ると今は8時だった。空は明るく鳥の鳴き声が心地よい。

その夜、俺は寝ることができなかった。みんなは誰も寝ることができなかっただろう。ただ一人を除いて。

「おはよ正弘、目のクマやばいけどちゃんと寝れた?」

その1人は瑠だ。こいつはかなりのマイペースでどんな状況だろうが自分を貫く現代社会には少ない人だ。瑠は勉強と運動ができて顔もかわいらしい顔をしていてちょっとずれてるけど人の気遣いもできるので誰も文句は言えないが。

「よう瑠、お前こんな状況でよく寝られるな」

「え?だって生き残ればいいだけでしょ?簡単じゃん」

瑠は相変わらずのマイペースだ。でもこの宣言はクラスメイトを全員殺すというようなものなのだが

”ビービービー、ガーガーガー、”

!?

”あーあー、みんな起きてるよな?まあ起きてなかったら強制的に起こしてくれ”

「昨日から気になっていたんだけど、何者あんた?」

昨日の出来事があってみんな黙っていたのだが、瑠はそんなことは関係ない。自分が気になったら話す。どうでもよかったら話さない。そういうやつだから

”そうだなあ、高木瑠、少し黙っておいてくれないか?”

「へえ、なんで俺の名前知ってんの?もしかしてあんた関係者?」

”高木瑠、一度行ったはずだ。黙れ”

「お前が答えるのなら黙ってあげるよ?」

 ”...俺はデスゲームを開催する時に個人情報は勝手に集まってくる。それだけだ”

「なんでターゲットが俺たちなの?やっぱりあんた俺たちの関係者じゃないの?」

”どうだろうな。俺はお前の要望に応えたから次はお前が俺の要望に応える番だぜ?”

「...わかったよ」

”えー、昨日俺は二人組が生き残れるといったはずだ。というわけでお前らはペアを組んでくれ”


そうして俺たちの二日目が始まった。


俺はまだこのデスゲームを信じているわけではない。嘘かもしれない。でももし本当だった場合、ペアを組まないといけないだろう、こいつは普通に人を殺すくらいのやつだ。

「正弘、俺と一緒に組もうぜ!」

瑠が声をかけてきた。まあほかに組む人もいないし俺は瑠とペアを組むことにした。


時計は現在12:00をさしていた。昼ごはんとかどうするんだろう。昨日の昼から何も食べてないからめちゃくちゃおなか減ってるんだけど。

と、その時だった。

”ピーピーガーガー”

来たか...

もう聞きなれてきた。三回目だからな。

”君たち、チームは決め終わったかな?まだの人ー、正直に手を挙げてね”

するとクラスの半数くらいが手を挙げた。正直に答えなかったら殺されるかもしれないのでみんなあげたくなかっただろうが正直に手を挙げたのだろう

”1、2、3、14、15...16人か。”

数を数えられて緊張が走る。少なくともこちらが見られているということが確定したわけだ。


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