63.ガイド熊本城3 お宿は阿蘇山 カルデラ温泉
※本作は空想の歴史を書いたものなので、史実や実在の自称・人物・史跡とは全く色々微妙に異なりますのでゴメンナサイ。
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敵絶対殺す竹之丸五階櫓下のグルグル元札門をグルグル下りたら、これまた敵絶対殺す巨大石垣だったー!
南端から見たらもう何つうかもう。
石垣!多門櫓!その左右に五階櫓!
更にその上に石垣!多門櫓!その左右に五階櫓!
更にその奥に天守ー!って…
「因みに元の大手はさっき来た西側じゃなくてこの東側なんだって」
「あっちも石垣と壁と宇土櫓アンド裏五階櫓、更に小天守の奥に大天守だしね。
ど偉い城築いたもんだよ清正公…」
「昔一週間位この辺で過ごしてひたすら城見て暮らしたぞ。
またやりたくなったなー」
「時サンならやりかねないわね…」
「あら、そんな暮らしをされていたとは」
「腱鞘炎になりそうな生活だね」
「ワタシもモンタヌスになれますネー!」
「グラちゃんモンタヌス日本に来ちゃいねーって」
「ソーでした!」
「あたし辛子蓮根はちょっと苦手―、一週間は辛いかもー」
「熊本には馬肉も阿蘇の牛もあるじゃない」
「熊本一週間ツアーいいねー!」「イイネー!」
「こんの肉食双子が」
「私は無理だからね!大学あるし!」
等とわちゃわちゃしつつ市街地への出入り口、坪井川沿いの馬具櫓下の門を出て改めて振り返ると、最初に見た壮大な光景が私達を見送った。
人生とお金が無限にあったら、京とか、伏見とか、名護屋とか、福岡とか。
ここ熊本とかで1ケ月づつ転々と暮らすのも悪くないかな?
京はもっと要るかな?金閣とか清水とかお寺も多いし伏見近いし淀も近いし。
いやいや夢見てんじゃないよ自分!精々真面目に働いて給料もらえる仕事に先ずは就こう。
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熊本城を後にして、豊肥本線は急行火の国で阿蘇山麓へ。
今夜は外輪山麓内側の瀟洒な温泉宿、何と離れ!高そー!しかも部屋風呂ー!うひー贅沢ー!
お値段については忘れて、夕陽の阿蘇山を眺めつつ人心地…広いなあ~。
ほぼ一日、熊本城内歩いて昇って降りたから温泉が身に染みる~。
「とても良い眺め…ここは大きな火山だったそうですね」
はあ、お延さん綺麗だなあ。
「はい!阿蘇山はかつて巨大な火山でしたが10万年以上前に起きた大噴火で、上部が吹き飛んでその窪地にいくつかの噴火口が残るカルデラとなりました。
この時の爆発は日本の半分を灰で埋め…」
「司ン自然公園までガイドできるんかよ」
お次さん、カエルみたいに股広げんな。美少女台無しもいーとこだよ!
「いえ今回のルートは一応下調べをね…」
「ハポンの景色、バリアブレー!」
さらにグラマラスな!
「今夜も馬かなー」
お玉ちゃんも色々豊かなのに食欲魔神!
「今夜は牛だそうですよ」
「ごちそうだー!」「ゴチソー!」
ああ色々台無しな双子だよ!
「ごめんなさいね、ガイドをお願いした訳じゃないのですよ」
「いえね、時サンにお城は色々連れて行って貰ってるけど、本当にガイドしたり、歴史を知るためにはもっと広く知らなきゃね、って思って」
「勉強熱心ですね」
「延姉だって看護師の資格持ってんじゃん」
「え"?」
「いえ、ちょっと護児堂の子供のために…」
「安土や京の小さいお寺には延姉モデルの薬師如来像もあったんだよー」
「え"え"ー!!」
「ツカサン、知らなカッタノー?!」
「知らないよー!」
「やめて恥ずかしい」
何気にお延さんまで歴史変えてたんだー!
でも人助けなのでOKです!
この美貌、そりゃ観音様にもなりますわ。
夕陽を受けて赤く染まる阿蘇を眺めつつの…牛肉ー!!
「「うまうま」」「とろけるー!」「はふほふ」
私も4人と一緒に夢心地!
「いいねえ。5人とも幸福の骨頂って感じで」
「それを言うなら絶頂!」「司ン、ネタだよネタ」
また謎のネタを吹っ掛けて来る時サン、今夜のお酒は「れいざん」ですか。
「阿蘇内側南の高森ってところ、18世紀から続く蔵のお酒だよ。あの辺は名水の産地だよ」
ちょっとご相伴。お延さんとお次さんも。
お延さん、色っぽい。
お次さん、オヤジっぽい、台無し。
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はっ!
気が付けば…夢の様な一夜でした~。
食後大浴場から月夜の阿蘇を眺めて。
離れに戻ってみんなでくっちゃべって美味しいお酒飲んで。
大人の修学旅行って感じ。
そのまま布団に潜り込んで沈没。
はぁ~極楽だ~。
よし、このまま露天風呂へ…なにせ部屋直だし。
ふわ~極楽だ~極楽だ~。
「極楽ですねえ」
「お延さん、おはようございます!
あれ?こっちで寝てたんですか?」
「むこうですよ」
「さいでっか」
「今日も、ちょっと山登りですね」
「あ!そうだった」
その後ゾロゾロみんな起きてきて、裸天国でした。
「司ンだってナイスバデー」「ナイスバデー」
「みんなに言われると何かクヤシイ」
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※豊肥本線は熊本震災で長く断絶していましたが今では復帰し、特急あそぼーい!が活躍しています。この物語では…国鉄なのでまだ急行火の国だったりします。
※今回のお宿は実在のものではありませんが、阿蘇温泉にはいくつも寛げる宿があります。
私も家族でお世話になって、妻子と共に草千里の眺めや河口付近を楽しみました。
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