第7話 結果2
「痛っ!?痛い!!何だよ、これ?足がっ、挟まれてるっ!」
男は騒ぐ。
「ギャァァァァァァァ!何コレ何コレ?」
片足を縄で括られ、ぶらーんと吊るされる男。
「ちっ、罠か?くそっ!で、電話だ!おいっ、て?何でお前ぶら下がってんだよ!」
「分かんないよ!足痛いよ…た、助けて!」
「俺だってイテェし!しかたねぇ、とにかく仲間呼ぶぞ!」
ワンショルダーのバッグからスマホを取り出し画面をタッチする…が一向に繋がる気配が無い。
「ちっ、クソッタレ!繋がんねーぞ。おい、いつまでもぶら下がってねーでお前も電話しろよ!」
依然と空中でブラブラしている男に無理難題を言い出す。
「無理、無理だってば!地面に落ちちゃってるし…」
尻のポケットに入れてあったスマホは当たりどころが悪かったのか、画面は割れてしまっていた。
「クソッタレ!ちっと降ろすのは待て。携帯が先だ」
這いつくばりギリギリ伸ばした腕、中指で引き寄せた。
「画面は…光るってんな!よし、使えそうだ」
どうして自分のスマホが使えなかったのか、それを気にする事を忘れている男。
『あー、聞こえるか?馬鹿ども。応答せよ。あぁ、これは有線だから声出せば聞こえるぞ?クソッタレくん』
「!」
有線通信、ケーブルを使った通信方式は安定した通信と盗聴や割と近距離なのでリスクが少ないメリットがある。
断線されないように工夫して配線しており、坂道の始めの部分と原木・木々の多い裏庭に設置をした。
まあ表はインターホン代わりだが、裏庭は害獣対策の一環で設置した…足音や咀嚼音を拾う為だった。
まさか人間の声を聞く事になるとは思わなかったが。
「テメェ!何でここは携帯使えねぇんだよ!」
『そう言う道具を使って電波を集束してあるからな。そんな事より、お前たちってさぁ……ロリコンってマジ?』
「………えっ?は、はぁ?何言ってんだ!テメェ!」
動揺するほどの自覚ありってか…救いようが無いな。
トリガーを引く。
パシュッ。
「んがっ?」
持っていたスマホが弾かれたように手から離れた。
パシュッ。
弾かれたスマホが地面に落ちる前に角を撃ち込み、半分が粉々になった。
「はっ?えっ?」
それを見ていた
声を出したらヤバい!と慌てて口を両手で塞ぐ。
「くふっ」
その姿があまりにも滑稽で声を漏らした。
「八重?八重の声だよね!八重、八重!」
パシュッ。
「アガッ?!」
五月蝿いな…骨を砕けば沈黙するかな?
迷わず大腿部の真ん中を撃ち抜いた。
「うぐっっっ…」
動かなくなった実父。
どうしたら俺の声を母と勘違いする要素があるってんだ!
ボシュッ。
「ぐふっ…」
完全に沈黙した。
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