二日目
人生初の彼女ができた次の日。
俺は運動部の朝練が始まる頃から学校の正門前に陣取っていた。
何故ならあと九日以内に彼女と会えなければ別れることになってしまうからだ。いくら学生の付き合いと言えど早過ぎる別れだ。そんなリアルタイムアタックはやりたくない。
というわけで、こうして登校してくる生徒を見張っているわけである。捜査の基本は張り込みだとドラマの刑事が言っていた。
一時間半で三百人ほどの生徒の顔を見たのではなかろうか。しかし、俺の彼女である東大寺蓮華の姿は一向に現れず。
この学校には正門の他にも北門と西門がある。なので、もう彼女はそちらから登校している可能性も無きにしもあらず。ここに居れば会えると思ったのもただの勘なのだから。
だが、何を隠そう彼女を想う俺の勘だ。自分を信じることができる者にこそ勝利が訪れる。始業のチャイムが鳴ろうが終業のチャイムが鳴ろうがここで待ち続けてやる!
「おい、泰山」
「はい?」
背後から野太い声がかかった。振り返ると如何にも体育教師というジャージの中年男性がいた。訝しそうな目つきで俺を見ている。
「こんな所で何をしている?」
「張り込みです」
「張り込みねえ……」
素直に答えると先生の肩の力がガクッと抜けた。
「なあ、刑事ドラマを観たことあるか?」
「ありますよ。夕方の再放送でよく観てます」
「じゃあな、刑事たちはどういう風に張り込みをしていた?」
「端に停めた車の中から容疑者の家を見ていましたね。でも俺、車持ってないし……」
「泰山、問題は車じゃない。刑事たちは端っこで隠れて見張っていたということだ。こんな通り道のど真ん中で人の顔をジロジロと見るお前と違ってな」
なるほど、さすが普段生徒に指導している先生なだけある。とてもわかりやすい例えだ。
しかし、見た目としては生徒に炎天下の中サッカーをさせておいて、自分は木陰でビールでも飲んでいそうな顔だというのに。世の中、見た目で人を判断してはいけないという点でも良い例になっている先生だ。
「おい、失礼なことを考えていないか」
「いえ、来年のサッカーワールドカップの開催地はどこだったかなと」
「二つ伝えることがある。人が話しているのに違うことを考えるな。それと、二〇二二年の開催予定地はカタールだ」
「へえ、暑そうですね。体育教師だとそういうのもチェックするものなんですか?」
「泰山、いや、泰山君、大事なのはそっちじゃない。だが、確かに暑さが問題に挙げられているので鋭い意見と言える。あと、俺の担当教科は数学だ」
なんて意外性のある方だ。来年の文理選択で理系を選ぶ予定なので、この先生のお世話になるかもしれない。外見と違って良い先生のようなので数学は安心だ。
「とにかく、みんなの邪魔になっているんだ。人の顔を見てこない分、三角コーンと交代させた方がマシだ」
「でも俺、東大寺さんに会わないといけなくて」
「東大寺? 三年のか?」
その時、ハッと閃く。
先生なら彼女のことをよく知っているんじゃないか。それこそ成績から住所まで。
あまりプライバシーを侵害するのは良くないけど、人となりぐらいなら訊いても大丈夫だろう。
「実は、東大寺さんは俺の彼女なんです。先生が知っている彼女の情報を洗いざらい話してください」
「泰山君は噂に違わずなかなかの生徒だなあ。今学期に入ってからお前の担任の先生が職員室で肩身狭そうにしているから大人しくしてやってくれないか」
どうやら教師間でも俺の話題が出るらしい。どのような内容なのかはこれっぽっちもわからないが、俺が知りたいのはそれではない。
「東大寺さんの情報を頂けたら三百円差し上げます」
「こんな往来で買収しようとするな。いくら積まれようとも生徒を売るような真似はしないがな」
「俺も可愛い生徒ですよ」
「間違ってはいない。だからこそ俺は泰山を〝まともな〟生徒にしないといけないんだ」
「なんでそこを強調したんですか」
「わかった、しっかりと話をしよう。昼休みに職員室まで来い」
「俺、東大寺さんに会わないといけないんですけど」
「それについても男同士の話をしよう。間違っても体育館裏に女子を呼び出すんじゃないぞ」
俺のホームグラウンドの情報が先生方にも知られているらしい。だが、あそこはもう卒業したんだ。何故なら東大寺さんという彼女がいるから。
「じゃあ、今日の予定を復唱してみろ」
「一限目の授業が終わったら東大寺さんの教室に行きます」
「初っ端から間違っているな。今日は昼休み以外教室に居ろ」
「そんな。トイレはどうすれば」
「子供みたいなことを言うんじゃない。いや、子供だったな」
ゴホンとひとつ咳払いが入る。
「東大寺に会いたいならここに居ても無駄だ。実際に確認したわけではないが、一年生の頃から毎朝誰よりも早くに登校して始業のチャイムが鳴るまで部室に居るらしい。だから校門で目立つ真似をするのは今日だけにしてくれ」
「先生……! 一生ついて行きます!」
「三百円を出すな。毎日注意しないといけないと思うとゾっとするから教えただけだ」
彼女に関する重要情報が手に入った。やはり先生は生徒の味方というわけだ。
「それで、東大寺さんは何部なんですか?」
「ほら、もうすぐ始業のチャイムが鳴るから教室へ行け」
「僕の質問に答えてください! やましいことでもあるんですか!」
「記憶にございません」
「ノリ良いですね」
「さあ、行った行った。ちゃんと昼休みに来るんだぞ」
本物の政治家顔負けな強引さで話が締められ、俺は教室へ追いやられることになった。
しかし、収穫もあった。東大寺さんの生息域としてどこかの部室が含まれているらしい。もしまた彼女の教室に行って会えなかったらそちらに行くのも良いだろう。
とは言っても、彼女も授業を受けているのだ。授業終わりに教室に突撃して会えないはずがない。授業と授業の合間の休み時間に校庭でドッヂボールと洒落込むような人には見えなかったし。
そう思い、一限目が終わるとすぐに席を立って廊下へ出る。すると目の前に朝の先生がいた。教室に戻るように促されて渋々戻る。
二限目は誰よりも早く席を立って廊下へ出た。が、朝の先生がまたそこにいた。
三限目、以下略。
この人は何故にこうも青春真っ只中である男子生徒の恋路を邪魔するんだ。本当に先生かどうかも怪しくなってきた。午前中一度も授業が入っていないことなんてあるのだろうか。教師職に詳しくないので断定はできないが。
そして、もちろん昼休みも捕まってしまい進路指導室に連行された。職員室に来いと言っておきながら教室まで迎えに来てくれるのだから、熱意の方向が間違えていると伝えたい。だが、人生の先生でもある人にそんなことを言うほど俺も自惚れてはいないので、素直に指導を受けた。約束通り男同士の会話として先生の経験談や恋愛観を聞いたけど、なかなかに可哀想な人生を過ごされているようであった。俺の父親が言っていたように、高校で彼女がいないとこうなるのか、と思い知らされた気分だ。まあ、俺は哀しみの螺旋から降りさせてもらったけどな。
※
などと浮かれていたのだが、先人たちの怨念に足を掴まれてしまった。具体的には五限目の体育の授業で足を挫いてしまったのだ。百メートル走をした後、待機場所へ歩いている時にである。走っている時にならいざ知らず、何もない所でグギッといったので恥ずかしいことこの上ない。霊的な何かが働いたとしか思えない。
「お祓いっていくら掛かるんだろ……」
「急に何言ってるんだ。お前を運ぶはめになった俺がお祓いしてもらいたいよ」
ひょこひょこと歩いてなんとか保健室前までたどり着いたところで、肩を貸してくれていた新発田が嘆くように言った。
「じゃあ、お大事に」
「お前こそ何言ってるんだよ。最後まで付き添え」
「保健室まで運んでやったんだからもういいだろ。俺はまだ幅跳びやってないから早く戻らないといけないし」
「お前は友情より記録を取るのか! 引退試合で最後のマウンドに立ったベテランから容赦なくホームランを打つのか!」
「そんなことしたら一生ネットでネタにされるだろうが。じゃあな」
「待てよ! 生徒が騒ぐのを止めるまで待つ校長先生を見習え!」
俺の呼び止めは廊下に虚しく響いただけであった。
まあ良い。足首が痛いし早く湿布なりテーピングなりしてもらおう。
横開きの扉を開ける。カーテンが揺れて春の陽気を乗せた風が通り抜けた。
丸椅子に座った女子生徒と目が合う。やや沈黙が流れた。
「あっ……、えっと……」
メガネを掛けたその子は、スイッチが入ったようにキョロキョロと視線を彷徨わせ始めた。それに合わせて三つ編みも揺れている。
「先生は?」
「い、今はいませ――、いないよ! 私だけ!」
「そ、そうですか」
音量調整を間違えたのか大声で言われて少し気圧された。
見た目的に一年生か二年生だろうか。一年生の教室がある廊下で見た覚えがあるから前者な気もする。
「ご、ごめんね! 急に大声出しちゃって!」
「いえ、お気になさらず」
なんなら今も大きいけど、俺は紳士的振る舞いで流してから保健室内に入って扉を閉めた。彼女のメガネの向こうにある瞳が少し見開いたように感じた。
急に男子が来たので困っているのだろう。用事を済ませてさっさと出て行ってあげた方が良いな。
痛めた足を庇いながら奥にある棚まで歩く。幸い、わかりやすく緑色の十字マークが入った救急箱をすぐに見つけた。
「泰山君、怪我したの?」
「そうなんですよ。相手にしがみつかれながらもトライを決めたんですけど、さすがに五人引きずったのはきつかったみたいで」
「す、すごいね。でもラグビーじゃなくて陸上してたよね……?」
「ああ、見ていたんですね」
「――! ご、ごめんなさい!」
特に悪いことをされたわけでも怒ったわけでもないのに謝られてしまった。
「そういえば、俺の名前も知っていたみたいですし、情報屋の方ですか?」
「ううん! たまたまだよ! 名前も、泰山君って有名人だから知っていただけで!」
この学校での俺に対する認知率は百パーセントなのだろうか。窓から校庭が見えるから体育をしていたのを見られていたことは理解できるが。
「あっ、私、牛久莉子(うしくりこ)です。同じ一年生だから敬語じゃなくて大丈夫だよ」
「やっぱりそうなんだ。よろしく、牛久さん」
俺の記憶力も捨てたものじゃないな。まあ、女子の顔を覚えるのは紳士の嗜みとも言える。
俺が気軽に返事をすると、牛久さんは両手で顔を覆って俯いてしまった。そして何やらぶつぶつと呟いているのが聞こえる。
もしかして、俺が臭うのか。いや、先ほどから声の音量がおかしいからチューニングをしているのだろう。そう願いたい。
体臭が撒き散らないよう注意を払いながら、救急箱を机の上に置いて中を漁る。とりあえず湿布を貼れば良いかな。
「そ、そうだ! どこを怪我したの?」
「足を挫いてね。結構痛い」
「ダメだよちゃんと冷やさなきゃ! 氷を用意するから座っていて!」
「は、はい」
そんな大げさにしなくても、と思ったけど勢いに圧されたので言われた通りそばにあった長椅子に腰掛けた。
牛久さんは慌ただしく備え付けの冷凍庫から出した氷を氷のうに入れてくれている。ああ、なんか自分のために動いてくれている女の子って素敵だな。新発田も一応は俺を助けてくれたわけだが、あいつは男だし。
そんな感想を抱いていると、心配そうに牛久さんが顔を覗き込んできた。
「痛い? あっ、足上げた方が良いよね。この椅子に足を乗せて」
引き寄せてくれた丸椅子に痛めた方の足を乗せる。
「ありがと――」
用意してもらった氷のうを受け取ろうすると、牛久さんが膝を曲げて患部にそれを当ててくれた。まさかそこまで献身的なことをされるとは思っておらず動揺してしまう。
「内側に捻ったんだよね? しばらく冷やしてから固定して……」
「あの、その」
戦場で重傷を負った兵士の気分になってしまうほど鬼気迫る雰囲気だ。俺の声が届いていない様子である。
それから部屋が静かになり、
「…………」
徐々に牛久さんの顔が俯き出す。同時に頬も赤らめていた。
どうやらこの状況を自覚したようだ。
うぶな女子高生が同級生の男子の足にガッチリと触れているというこの状況。
野戦病棟のような空気が昼下がりの穏やかさを取り戻し、クリミアの天使から普通の女の子に。いや、ここまで優しくしてくれるのだから天使のままか。
それよりも相当気まずそうである。
仕方ない、適当に話題を振って和ませよう。
「牛久さんはなんで保健室にいたの?」
「えっと、私、あまり自分の教室に居たくなくて……」
なんてこった。踏み込んでは行けない地雷地帯に入ってしまったらしい。
だが、俺に撤退の二文字はない。
「嫌な奴とかいるの?」
「そ、そういうわけじゃないの。単に集団が苦手なだけで……」
「わかるわかる。教室が広いって言っても人を詰め込み過ぎだよね」
「うん……、本当は我慢して授業を受けなくちゃダメってわかってるんだけど……。一応、たまに図書室で自習はしているんだ」
「いやあ、十分えらいと思うよ。人には得手不得手があるもんだし、自分のペースでできることをやれば良いと思うよ。経過がどうであれ大なり小なり成果があれば満点だから」
「ほあ……」
キマったな。録音されていたら悶え死にそうなキザなセリフだけど、牛久さんの心に届いたらしく感動しているようだ。言葉なんて必要とする人がどう受け止めるかなので、今回の場合は上手く行ったらしい。
念のため何かのドッキリでカメラが仕掛けられていないか見回していると、牛久さんがスカートを押さえながら立ち上がった。
「テーピング巻くね。冷やしてて」
氷のうを俺に手渡して救急箱から茶色のテープが取り出される。
「本当は巻く固さとかあるから自分で巻けたら良いんだけど……。泰山君できる?」
「怪我する機会なんてゲームのコントローラーで連射する時に爪が割れるぐらいだからなあ」
「じゃ、じゃあ、私が巻くよ。靴下脱がします!」
「あー! 待って待って! 自分で脱ぐから!」
貞操の危機を感じた俺は慌てて彼女を制止した。靴下とはいえ衣服を剥がれるのは恥ずかしい。この年になれば母親に脱がされるのだって抵抗あるのに。
くるぶし丈の靴下を自分で脱ぐ。牛久さんが若干残念そうにしているのは何故だろう。
「じゃあ、改めまして……。痛くしたらごめんね」
「優しくお願いします」
男女が逆なセリフを交わし、牛久さんが足首からテープを巻いてくれる。
ここで気づいたが、俺の足は臭くないだろうか。先ほども臭う疑惑があったので心配になってきた。未だ自身の体臭が臭いと感じたことはないけども。
「泰山君はどんなゲームをするの?」
すると、牛久さんの方から話題を振ってきてくれた。急に俺が黙ったから気を使ってくれているのだろう。
「スマホでも据え置きでもなんでもするけど、歴史シミュレーションゲームとか好きかなあ」
「あっ、面白いよね。私はいつも毛利家でプレイしてるよ」
女子の間では日本の戦国時代が流行っているらしい。系統が全然違うけど牛久さんも俺のように比叡先輩と仲良くなれるかもしれないな。
「へえ、九州から攻めるタイプ? 東に進出するタイプ?」
「はい、巻けたよ!」
話を広げようとしたら治療完了の声。早い。気づけば俺の足首は身動き一つ取れなくなっていた。ロープでも渡していようものなら、いつでもどこぞの湾に沈めれる状態にされていてもおかしくない手早さだ。
「ありがとう」
「どういたしまして。氷のうは借りても良いと思うから、この後の授業中も冷やしておいてね」
気遣われるのと同時ににっこりと笑顔を向けられた。
可愛い。味気ないメガネで隠されているが、よくよく見ると顔が良いぞこの子。
東大寺さんもそうであったが、俺の顔の良い女子リストもまだまだ調査不足なことがよくわかる。
いやいや、ダメだダメだ。もう調査する必要はないんだ。東大寺さんという素敵な彼女ができたのだから。しかし、付き合い始めてから出会っていないので実感が薄いのは確かである。その辺りは許して欲しい。
心の中で言い訳をたっぷりしていると、チャイムが鳴った。
「じゃあ、教室に戻るよ。牛久さんは?」
「私も行こう、かな。あっ、でも泰山君、上履きはどうしたの?」
「そういや靴だけ下駄箱に戻して履いてないんだった。下駄箱に寄ってから教室に戻るから、牛久さんは先に行ってて」
とは言ってもクラスは違うけど。
「ううん、ここで待っていて。私が上履き持ってくるから」
「えっ、そこまでしてもらうのも悪いよ」
「気にしないで。泰山君は怪我人なんだから」
ああ、怪我して良かったな。こんなに良い子にこんなに良くしてもらえるなんて。彼女ができたことも合わせ、女性運が上がってきているらしい。
と、そこへ、
「おーい、上履き持ってきてやったぞ」
急にガラッと扉が開かれ男の声。もとい、新発田の声。
見れば俺の上履きを片手にした体操服野郎の姿。もとい、新発田の姿。
「気が利くな。そうやっていつも女の子を泣かせているんだろ」
「どこに発想を飛ばしてるんだよ。お前こそ牛久さんと仲良くして楽しそうなことで」
「まあ、仲良くはしてたけど。なんで牛久さんを知っているんだよ?」
「はあ? 同じ学年なんだから知っていて当たり前だろ」
「うわっ、気持ちわるっ」
「ぶっ飛ばすぞ」
牛久さんの方を見ると、何かを堪えるような表情で俯いていた。野蛮な男に存在を認知されていて気味悪がっているのだろう。
床に放り投げられた上履きの片方を履き、負傷している方は素足のまま。
「よし、行こうか」
また新発田の肩を借りて立ち上がり、牛久さんに声をかけた。
「……ありがとうございました」
「ん?」
「な、なんでもない!」
スマホを胸元で握りしめて何やら呟いていた彼女だが、取り繕うように保健室の扉を大きく開けてくれた。挙動不審なのは今に始まったことではないので、特に気にせず部屋を出る。
足首が固定されたおかげでかなり歩きやすくなった。教室の前で牛久さんと別れる際に改めて礼を述べると、「こちらこそ!」と廊下で騒いでいる生徒が振り返るほど声を張られてしまう。その失敗に慌てた彼女はすぐさま自身の教室へ走って行った。
そして、六限目の授業を終えて放課後となったのだが、東大寺さんを探すために一人で動き回れるわけもなく。こんな状態で出会っても心配されるだけだろう。
なので今日のところはおとなしく帰ることにした。担任の先生にタクシーを呼んでやろうかと言われたけど、それはさすがに恥ずかしいと断った。そう言うと、「お前にも羞恥心があるんだな」と真顔で言われた。不服である。
代わりにバスを使った。雨の日は利用しているが、あっという間に家の近くに到着したので、徒歩で通学しているのが馬鹿らしくなってしまう。
それから。
晩飯や入浴などを済ませ、牛久さんにやってもらったようにテーピングを巻き直しておく。そして、大きなクマのぬいぐるみである『ゴンザレス』を足置き場にし、痛みがほとんどなくなった足を心臓より高く上げて就寝した。
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