第8話 私達の冒険が始まった
サラさんは再び攻撃を始めた。
私は後ろで見ていることしかできなかった。
やがて、ドラゴンは倒れた。
「ふう。終わったか」
「すごいです」
私はサラさんに抱きついた。
「ちょ、ちょっと待て」
「はい?」
「離れてくれないと困る」
「どうしてですか?」
「汗臭いだろう?」
言われてみれば確かに。
「そんなことないですよ」
「いや、あるんだよ」
「気にしません」
「はぁ……」
サラさんはため息をつくと私の頭を撫でてくれた。
「ありがとう」
「いえ、こちらこそ」
「琴音のヒールのお陰だ」
「嬉しい」
ああ、あたたかい気持ちになる。
ずっと一緒にいたい。
「あの……サラさん」
「なんだ?」
「さっき、そのドラゴンと戦う時……」
訊きたいけど。
怖い。
「最愛の者って……だれ?」
あー、訊いちゃった!
もうあとにひけない。
「ああ、それは私の恋人だ」
「え?」
ハンマーで心臓を撃ち抜かれたかのように私は頭が真っ白だ。
「けど、相手は私のことどう思ってるか分からない」
「え?」
一筋の希望。
一筋の光。
「あの、サラさんがよろしければ一緒にその人を探す旅をしませんか?」
「え? だが、危険が一杯だぞ」
「いいんです! それにサラさん、癒し手がいるんじゃないですか。これからは」
「そうだな」
こうして私たちは冒険することになった。
「では、行きましょう」
「ああ」
これからどんなことが待ち受けているか分からない。
だけど、サラさんと一緒なら乗り越えられるはず。
そう信じてる。
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