第7話 人生で初めての恋と嫉妬

「大丈夫か?」

「は、はい」

「下がっていろ」


サラさんは剣を構えた。


『小娘が。邪魔をするでないわ』

「黙れ」


睨むと凄まじい殺気が放たれた。


『ぐっ……お主、何者じゃ……』

「ただの冒険者さ」


そう言うと同時に斬りかかった。

激しい攻防が続く。

しばらくして勝負がついた。

サラさんの攻撃が命中したのだ。


『おのれ……』

「ふん。他愛もない」


とどめを刺そうとした時、ドラゴンは最後の力を振り絞ってブレスを放った。

ドオオオオン!!


「くっ!」


サラさんは吹き飛ばされた。


「サラさん!」


私は駆け寄る。


「大丈夫だ。かすり傷さ」

「でも血が出てますよ」

「平気だ」


私は回復魔法を使った。

出来るか分からないけど、真似事で上手く行くなら。


「ヒール」


光が私の手から放たれ、サラさんの傷を癒す。

転生者としての私のスキルは治癒魔法だったんだ。


「助かるよ」


サラさんは立ち上がった。

そして、再び対峙した。


「まだやるのか?」

『当たり前だ。我は死なんぞ。最愛の者と再会するまでは!』


最愛の者?

だれ?


その人は?


私はその人に嫉妬した。

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