第5話 興味本位で……
そんなことを思っているうちに眠ってしまった。
翌日、目を覚ますと外は雨だった。
「はぁ……ついてないな」
憂鬱な気分で支度をして宿を出た。
「あれ? 誰もいない」
いつもならサラさんがいるはずなのに……。
少し不安になった。
「大丈夫。きっと来る」
自分に言い聞かせるように呟いた。
それから数時間待ったが来なかった。
次の日も、次の日も。
そして、ある日……
受付に行くと、そこには見慣れた後ろ姿があった。
「サラさん?」
私が呼ぶと振り返った。
「ああ、琴音か」
「よかった。心配しましたよ」
「悪いな。ちょっと用事があってな」
「そうなんですか」
「それより、どうする?」
「はい。今日は採取の依頼を受けてみようと思います」
「分かった。頑張れよ」
「サラさんも頑張ってくださいね」
こうして私たちは別々の依頼を受けた。
照れくさくて一緒にって言えなかった。
私は薬草採取の依頼を受けた。
場所は街の近くにある森の中だ。
「えっと、この辺りかな」
キョロキョロと探していると、草むらの中にそれらしきものを見つけた。
慎重に近付いて確認する。
「あった! これでよし!」
バッグに入れると次は別の薬草を探す。
しばらく探していると、近くに洞窟があるのを見つけた。
「こんなところに洞窟なんてあるんだ」
興味本位で覗いてみた。
奥まで続いているようだ。
「行ってみるしかないね」
意を決して進んだ。
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