第5話 新しい恋の予感が僕を待っている
法案が認められれば、被害者は減るに違いない。
僕はもう過去にはとらわれずに、生きていこう。
男らしく恋もしたい。といってもJR時代には恋愛は許されていなかったので、女の子とはどんな話をしたらいいのかもわからない、純情一路の僕であるが。
しかしその特性(?!)を生かして、恋をしたい。
不倫男やホストの特性は女性慣れしていて、返答がうまいことである。
女性からひとつ話題を振られたら、三倍にして返す明石家さんまなみの話術。
それに加えてつくり笑顔でもいいから、この女性と一緒にいられたら僕も幸せ、君も幸せ、だから君は僕についてきなさいという、身勝手なポジティブさである。
僕は正直、好きな女性となると、こういうことを言ったら嫌われるのではないかと不安になって、ポジティブな発言やグイグイと肌を押し付けるような強引さは僕にはないが、女性に対する気配りは充分にあるつもりだ。
僕は過去の自分が洗い流されていくのを、感じていた。
同時に、僕を理解してくれる人しか愛することはできないのではないかという予感もあった。
そして僕も、相手の女性がどんな過去を背負っていようが、僕を理解してくれている限り愛していこう、いや相手の女性の過去をも理解していきたい。
過去の傷が現在に及ぶとしても、そのトラウマをも理解していこう。
そう決めた今、僕を待ってくれている女性がどこかにいるのではないか。
雨があがったあと、固いつぼみにかかった雨雫が太陽の光に照らされキラリと輝くような、新しい何かが生まれる予感がした。
(完結)
続編「性被害を受けた僕を救ってくれた元AV女優」もよろしくお願いします。
それでも僕は少年愛男を憎むことはできない すどう零 @kisamatuma
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