　　あれ、もしかしてＡＩ絵って嫌われてる？

　SNSでAI絵って明記せず公開して、あとからAI絵ってわかるとボッコボコに言われている人もいたし、DLsite.comでも作品検索で「AI生成作品を除く」って項目もあった。ＡＩ学習に自分の絵が使われていると怒り心頭の人もいた。

　ワシがウホーと感動したＡＩ絵という原初の炎は、色んなところで火柱を上げていたのだ。

　ＡＩ絵を作ったら誰かを傷付けるかも。ワシは、ＡＩ絵に感動したときよりも気分が落ち込んでいった。絵を作るモチベーションも下がっていた。そんな中、衝撃的な出来事が駆け抜けた。

　ＡＩウマシコ事件。

　ウマ娘プリティーダービーという、実際の競走馬を女の子に擬人化した「ウマ娘」を育成するゲームがあるのだが、そのウマ娘はえっちな二次創作が禁止されている。なのにそのウマ娘を題材にして、ＡＩにやってはいけない絵を大量に生成し、ネット販売している人がいることを知った。愕然とした。販売は停止された。

　ガイドライン違反、ルール無用のＡＩ絵師がこの世の中にはいて、それによって傷付く人がいることをようやく理解した。

　そのほかにもＡＩ絵の問題は色々あり過ぎて、ワシじゃ追いきれないほどであった。頭が痛かった。

　2023年4月～6月。ＡＩ絵の販売をしていたサイトは利用規定を変更していった。DLsite.comもそのうちのひとつだった。

　えっちなＣＧ集を作っていた職人達は、販売停止になる前にバーゲンセールをしていた。価格競争は値下げ値下げと突っ走り、1000枚入りのＣＧ集が90％オフの10円で売られたときは、目ん玉が飛び出そうになった。税込みでも11円ですとぉ!?　とてもついていけるとは思えなかった。ワシがCG集を作り始めてたった三か月で状況が激変していた。

　2023年7月現在、DLsite.comではAI絵を使ったＣＧ集は販売していない。AI絵がメインではない小説の挿し絵か、ゲームに使われるのが認められているのみである。

　ワシはDLsite.comでエロＣＧ集を販売することを断念した。今までやったこと、全部パーになってもうた。カード支払い35万3251円とＡＩ絵で使った追加の8564円はどうしよう。心身疲労によりぶっ倒れて、泡吹きそうになっていた。