第8話 産み出される大量のクリーチャー

 AI絵でもまた壁にぶち当たった。

 女の子の絵を生成しても、うまく行かないことが多いのだ。

 

 始めた頃はAIが自由に作る絵に満足していたが、いざ自分の思う通りに作ってもらおうとしてもうまくいかない。何回もプロンプトの文字を変えたり、順番を入れ替えたり試行錯誤した。それでも満足のいく絵は100枚に1枚程度。友人がAI絵のガチャ回しているって言った意味が、ようやくわかってきていた。


 4日で800アンラスも使っていた。

 もう10ドルのコースじゃCG集を作るのに足りない。25ドルのサブスクに入り直した。くそう、なんて商売上手なんだノベルAIさんめ。


 25ドルのコースは10000アンラスがもらえ、通常のAI絵は無料で作れるようになった。アンラスが減る心配なく絵を生成できるようになったが、大量に違和感のある絵も産み出されていった。

 

 指が6本あるのはまだいい。腕が生えすぎたアシュラマン、何人も身体が結合したケンタウロス君。あれだけ熱望したちくびも4つや6つも出されるとうんざりした。ワシは人体錬成という禁忌を犯してしまった錬金術師のように、頭を抱えていた。


 AIが作った美しいナイスバディの美女たちの裏側では、大量のクリーチャーたちが産み出されては消されていたことを、AI絵に触れる前は知らなかったのだ。AIイラストはキレイな絵ばかり生成するわけじゃないんだと身を持って知った。


 まだやることは増えていた。生成した絵にモザイクをかけなきゃいけない部分があったのだ。

 

 ち……ごほん。ここはぞうさんとしておこう。

 生まれたままのぞうさんが、お空に向かってぱおんしているではありませんか。


 日本で販売するためにはぞうさんにモザイクをかけなければいけない。

 若かりし頃、あれだけモザイクの向こう側を一目拝んでみたいと懇願していたのに、今となってはモザイクで隠す技術を会得するために奔走することになるとは夢にも思わなかった。


 眉間にしわを寄せながらAI絵を生成する日々が続いた。自分でわからないことをネットで調べているうち、ふとした疑問が頭をよぎった。

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