第3話
ふふふふふ、天華が笑いだす。
「ねえ、パパ」
お父さんだったりパパだったり、安定しないな。
そういうキャラか。
「あの時のタクシー運ちゃん、いま、どこにいると思う?」
運ちゃん?それはトラック運転手に使う言葉だと思っていた。
いや、そんなことよりも。
「犯人がどうした……」
俺を轢き殺した奴は。
言ったじゃーん、と明るく天華が宣言する。
「わたし、思わず目を瞑っちゃった、って」
全身から、悪寒よりも弱くしかし恐怖より強い、嫌な予感がする。
ま・さ・か。
「天華」
お・ま・え……!
「明日の撮影、一緒についてきてね!それから、わたし、炭水化物抜いてまーす!スパゲッティよりサラダと鉄分!ビタミンのサプリかなっ!」
裏手にピースを顎に持っていき、蠱惑的な独特の瞳でこちらを捉える。唇は綺麗な薄いピンク。そして腰をやや捻りつつも、繰り出される上目遣いに、絶妙にひるがえる制服のスカートのひだ。
考えていた。
俺は転生した。
そして妻と子を成した。
しかしその子は。
前世で俺を死に追いやった、今では天使!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます