『地球外知的生命体【ETL-1】との1stコンタクトに関する報告書』

名無しの報告者XXX ▋: ^ )

―――本文

タイトル:【ETL-1とのコンタクトに関する報告】


主任研究員の名前:ジェイムズ・スミソン博士


ファーストコンタクトを担当した政府機関名:

米国地球外生命体遭遇研究センター(United States Extraterrestrial Encounter Research Center USEERCユーセルク)


地球外生命体のコードネーム:ETL(ExtraTerrestrial Lifeform)-1


202*年**月**日の朝、米軍の訓練中の戦闘機からUSEERCに「太平洋上に未確認飛行物体(UFO)が浮かんでいる」という報告があった。直ちに我々USEERCの調査チームは国防総省より報告のあった場所へ向かうように命令が出された。


米海軍の艦船群、偵察機、ヘリコプターが現地に到着し、周囲の海域は直ちに封鎖された。後から我々の乗る艦船も合流し、そこで我々は、直径約50メートル以上はある、巨大な円盤状の物体が、浮遊した状態で海上に停止しているのを目視した。


円盤の表面は黒く、光沢を持った黒曜石を思わせる質感をしており、ガラスのように周囲の景色が反射していた。全体的にドアや窓といった出入りが可能な場所や、突起物などの装飾は一切なく流線的な非常にシンプルな外見をしていた。


我々、USEERCの調査チームの乗る艦船は円盤の特徴を詳細に観察するため船を上空に停止中の円盤の前方方向に停泊し、政府の命令通り、その起源や地球を訪れる目的について情報を集めるため、カメラやマイクなどのさまざまな監視・記録機器の準備に取り掛かった。地球外生命との遭遇を調査する政府機関として、彼ら地球外生命とコンタクトを確立し、その調査と情報を収集することが我々の任務であった。


我々、調査チームは直ちに無線信号を使って円盤との通信を確立しようとした。英語、中国語、スペイン語を含む複数の言語で、さまざまな周波数を使用し、円盤に搭乗している可能性のある生命体とのコンタクトを試みた。

数分間の沈黙の後、未知の言語による応答があり、それを録音し、直ちに言語学の専門家が分析に回した。言語の壁があったにもかかわらず、チームは円盤との交信を試み続け、最終的に英語で応答を受け取り、交信を確立する意思を示した。


無線で交信を試みた後、しばらくして円盤状の船体の下部中央部に円形の黒い”穴"がゆっくりと開き始める、暫くしてその穴から人型の物体が出てくるのを我々は目視する事ができた。円盤から出てきた物体はまるで抽象彫刻のオブジェを思わせる人型の物体で、色や質感も円盤と似たような黒色で光沢のある黒曜石のような物質によって構成されており、頭には顔のようなものは見当たらなかった。それは、円盤の下にある海上を立ったまま謎の技術で浮遊していた。


ETL-1と名付けられたその人型物体は、体長2~3m近くあり、細長い体と手足を持った、スレンダーで人間に近いシルエットをしている、しかし顔には耳や目、鼻、口のような器官はなく身体にも凹凸になるような突起物はない。手や足の先には指は存在せず簡略化されている。

おおよそ、この地球上の法則における"生物"と呼ぶにはあまりにも姿がかけ離れており、無機的でどちらかといえば"ロボット"のような印象を受けた。


ETL-1は敵対的な意思は示さず我々に平和的な意思を表明し、地球の指導者たちとの対話を希望していた。約20光年離れた惑星から来たと主張し、数十年にわたり地球を観測していた。その使命は、地球の住民と接触し、平和的な関係を築くことであった。


我々はETL-1と対話し、言葉を録音、質問を重ねた。ETL-1が提供した情報によると、彼らの文明は我々の文明よりもはるかに発展しており、彼らの宇宙船は光よりも速い速度で移動し、驚異的なエネルギー源によって動力が供給されている。そのエネルギー源に関する情報は提供されず、不明であり、分かったとしても我々の現在の科学技術では理解することができないだろう。


ETL-1が述べたところによると、彼らの文明は惑星間通信や探査、あるいは他の惑星での居住など、我々の地球上では考えられないような領域での活動を行っているようだ。彼らは、知的生命体の存在を尊重し、平和的な目的のために惑星間交流を促進することを目的としているらしい。


また、ETL-1は、彼らの文明は永続的な持続可能性を実現しており、環境問題については我々の文明よりもはるかに進んでいると述べた。彼らは、エネルギー効率の高いシステムや、廃棄物処理の効率的な方法を持っているとされる。


接触に成功した後、USEERCはETL-1と恒久的な通信手段を確立し、その母星と文化に関する情報を収集し続けている。USEERCは、ETL-1および将来遭遇する可能性のある他の地球外生命体との平和的関係を維持することを約束している。


ジェイムズ・スミソン博士

米国地球外生命体遭遇研究センター(USEERC)主席研究員

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