第3話 エピローグは余計じゃないよね?
「・・・うっ?」
窓から差す朝の光に僕は目を覚ました。
ピアノにもたれるように。
一晩中、弾いたまま眠ったらしい。
指にくすぐったい感触が残っている。
僕は広げた手をかざして。
見つめていた。
ららら、らららん・・・。
今もハッキリと感じる。
一緒に鍵盤を叩きながら、君が囁くように歌ったハミングが。
あっ・・・。
涙が。
頬を伝っている。
それが。
久しぶりに思い出せてくれた。
一番、幸せだった。
君との思い出の余韻だと。
アルペジオのメロディーと共に。
僕を。
優しく包んでくれたのでした。
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