第111話 アンナ様ご入学!

―――早いもので、もう12月半ば。

デビュタントを終えた新入生が入学し、

わたしは王立学園の2年生になった。


「アンナ様!ご入学おめでとうございます!待ちわびましたわ!今日から学園でもお会い出来るのですね!」


今日は記念すべき日!

そう……お気づきのとおり、ひとつ下の他領の伯爵令嬢であるアンナ様が入学したのだ!


ということでわたしたちお茶会女子5人組は、サロンに勢ぞろいしランチをしている。


「わたくしもやっとこうしてみなさんと学園ランチができる日が来て、とってもうれしいです!」


アンナ様は、入学する日をとてもとても楽しみにしていたから…

興奮したように嬉しがっていますよ!

かわいい!


「…さぁ今日は、初学園ランチ記念ということで、お弁当を作ってきましたの!ぜひ召し上がってください!」


わたしがそう言ってお弁当のフタをあけると

「「「「まぁぁ……!!」」」」と

4人からの感嘆が漏れた。


ふふふふ……

わたしもこの日を楽しみにしていたので、

今日は特別に5人分のお弁当を作ってきたのだ。そしてかわいくキャラ弁にしてみた。


「見てください、くまさんのオムライスですわ!卵がブランケットのようになっています〜!」


「こちらのハムは、お花のようになっているのですね!はぁぁ…本当に素敵ですわ!」


「こちらのミートボールには目が付いていて…あら、耳も!ミニくまさんですわね!」


「こちらのウインナーも見てください!タコさん?でしょうか!かわいらしいですわ!」


みんな目をキラキラさせて

お弁当に夢中になっている。

毎回毎回リアクションが良いから、

こっちまで嬉しくなってしまうよ。


"勿体なくて食べられませんわ"と食べるのを躊躇しているご令嬢たちに、

「またいつでも作りますから!」と伝え

自らくまさんオムライスの顔にスプーンを突き刺し食べ始めた。


誰かの「キャッ」という悲鳴は無視する。

『うーん!たまごトロトロおいしー!』



―――あれからしばらくして…

楽しいランチタイムは終了した。


みんなでキャラ弁の感想を言い合いながら

キャイキャイお弁当を完食し、

食後のデザートにフロランタンもたいらげた。


アンナ様も入学されたことだし、

これからの学園生活も、もっと楽しくなりそうだ!


わたしはルンルンしながら

同じクラスのライラ様と一緒に教室に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る