第88話 アイスクリーム

―――あれから数週間。


「お待たせしました!ご覧ください…

これがアイスクリームです!」


「「「「「おぉ~!!」」」」」


ついにできたよアイスクリームが!


夏の女神祭も間近となり、

着々と出店準備をはじめていたわたし。

今日は試食会と題し、屋敷のみんなにアイスクリームを振舞う事にした。


味は6種類。

レモンミルク、いちごミルク、チョコレート、バニラミルク、ミルクティー、おいもミルクだ。


ちなみに、こちらの世界の人達は、不慣れなコーンだと食べ歩きしにくそうなので

カップにする予定だ。


『味見をした時は美味しかったけど…

どうかな?お口に合うかな。

トッピングしたラングドシャの感想も気になる…!』


わたしが、ワクワクしながらみんなを見つめていると…

みんなはさっそくアイスを食べ始めた。



―――パクッ……


全員の口の中に広がる、

冷たさと甘さとクリーミーな食感……


「「「「ん、ん~~~!!」」」」


初めての経験にみんなが目を丸くして驚いている。


「なんだこれは…!ミルクの味が優しくて、レモンの爽やかさと一体になっているぞ!」


「このチョコレートアイス…ビターな風味と甘さのバランスが最高だわ!」


「これはおいしすぎるよ!いちごの果肉もゴロゴロ!大好きないちごミルクを頬ばれる幸せ…」


「バニラはミルクの濃厚さをたっぷり味わえますね!シンプルイズベストです!」


「ミルクティー味は上品で香り高くて、このラングドシャにも合います…!」


「おいもミルクは、お芋のホクホク感も感じるやさしいあまさ…何個でもいけます。」


お~そうかねそうかね!ふふふふ!


みんな夢中で全種類試食してくれていて

とっても嬉しい。

反応を見る限り、大成功みたいだ。


よしよし…ということは。

あとは、屋台の飾りつけと人員配置かな!


『街の人たちも、気に入ってくれるといいなぁ…売れますように!』


夏の女神祭への高揚感を胸に、

わたしもアイスクリームを頬ばった。



んー!!冷たくておいしー!最高!

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