第87話 在庫整理!

―――えーっと、なになに?


「初期シリーズの美容クリームが70個。

美容パックが150。石鹸が127。あ、バスソルトが…160。それから…」


早いものでもう6月になった。

今日は休日なので、これまでの美容アイテム商品の在庫整理をしているところだ!


おかげさまで美容アイテムも様々な商品を生み出すことができ…

日々進化させながら新商品も出し続けてられている。


しかしどうやら、みんな新しいものが好きらしい。加えて新商品は改良がされており、もちろん効能も初期商品に比べて良い。

そのせいか初期商品が売れにくくなってきていた。


―――そこで考えたのが

超ロングセラー商品を除く

"初期商品の一掃セール"!


複数の商品を1セットにまとめて、

超特価で販売しようと思っている。


その名も

『肌美人~夏のパーフェクトセット~』

(名前のセンスに関しては許して欲しい)


中には単体で欲しい人もいるかもしれないので、セットからはみ出た分を

これまた特価でバラ売りする。


そもそも何故これをしようと思ったかというと、王都のお祭りが近いからだ。


王都のお祭りは1年に数回あるが、

今回は夏の干ばつ回避を願った"夏の女神祭"である。


商人ギルドに登録していて販売経験がある商人ならば、応募をすれば出店ができるらしい。


今年はこのとおり体調も絶好調で店番も出来そうだし!

なによりこのセール価格なら、一般の方にも手に入れてもらいやすい。


ついでにアイスクリーム屋さんも隣に出店しようかと思っている。

こっちの世界は、かき氷のようなものはあるけど、アイスクリームはないのだ。


作っておけばあとはすくってカップに入れるだけだから、侍従たちにも手伝ってもらいやすい!


蒸し暑い日の中、

ヒンヤリしたアイスクリームに夢中になっている子供たちのかわいい笑顔を

ぜひたくさん見たい。


ヒンヤリといえば……

『ふむ、冷えピタみたいなひんやりグッズもいいかもしれない。』

また開発したいものができてしまった。




―――さて、

セット売り商品の振り分けはできたし。


「おつぎはアイスクリームを冷保存するための魔道具の発注をしますか!」


わたしは立ち上がって設計図を手に取り、

職人さんとの打ち合わせに向かった。

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