第84話 【番外編:バレンタインデー 1 】

《ニコルの父と兄の場合》

「お父様!お兄様!今日はバレンタインデーです!大好きな人にチョコ菓子を渡す日です。今日からそういうことにしたのです!だからお2人にチョコケーキを作りました!」


『『朝から天使がいる…!!』』


ニコがこの日の計画を立てていたことを知っていた私(ぼく)たちは、こっそり用意していたものを渡す。


「「では、大好きなニコにはこれを。」」


そう言って花束を取り出すと、ニコはひどく感動した様子で「イケメンすぎて辛い!」と言っていた。


また何かの本で学んだ言葉なのだろう。

微笑ましくなった2人は、目の前の天使を気が済むまで愛でたあと…

もらったチョコケーキを永久保存することに決めたのだった。


(そして後日、食べずに飾っていた事で賞味期限が切れてしまい、愛しのニコルに怒られるのであった。)


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《ニコルの護衛騎士ズの場合》

「カイ!ニナ!ロン!今日はバレンタインデーよ!大好きな人にチョコ菓子を渡す日なの!3人ともいつもありがとう。」


朝から登校前に、屋敷の皆に何かを配られていると思ったら…ニコル様が私たち3人にも駆け寄り、ひとりずつ包装されたチョコ菓子を渡してくれた。


『『『幸せを運ぶ妖精がいる…!』』』


他で働く騎士仲間の中には、ただの駒のように扱われる者もいる中、お嬢様はいつも驚くほど良くしてくださる。


「男性は、花束を渡してもいいのよ!これからこのバレンタインデーを流行らせるの!

大切な人に気持ちを伝えたり感謝する日があったら素敵でしょう?」


お嬢様はそう言うと、メイドの元へと去っていった。


「「「迎えまでに花束を用意しよう」」」


私たちは即同意して笑顔で頷きあった。

ぜひニコル様に感謝の気持ちを伝えたい。

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