第70話 王都学園入学式
―――デビュタントが終わった数週間後。
わたしは学園の入学式に出席していた。
「…お次は新入生代表挨拶。
セントラル王国第3王子
アルバート様からのご挨拶です。」
割れんばかりの拍手と黄色い声援を浴びながら、ピンクゴールドに輝く髪が印象的な
美しい王子が壇上にあがる。
『相変わらず眩しいねぇ…』
わたしは姿勢正しく座り、聞いているフリをしながら、呑気にそんな事を思っていた。
―――今朝方。
ピカピカの真新しい制服に身を包んだわたしは、家族のみんなからそれはそれは熱い抱擁をうけた。
お父様もお母様も、わたしが無事に学園に通えるようになったこととその成長っぷりに涙し、お兄様は「僕が守るからね。」と気合十分にそう言ってくれた。
『そんなに危険なことはないと思う…』
と思ったが、ありがたく受け止めよう。
…道中の馬車は楽しかった。
お兄様とお兄様の筆頭護衛騎士、
わたしとわたしの筆頭護衛騎士であるカイの4人で、来る学園生活について会話をした。
護衛騎士は基本的に学園の待合室で待機。
催し物や、長い移動、危険が伴う実技授業や問題があった時だけそばに居る。
なるべく子供たち同士の時間を邪魔しない為だろう。
カイが「教室までお供します」ときかなかったが、イケメンすぎて騒ぎになっても困るので
丁重にお断りした。
…その後、学園に到着した時に
周りがザワついたのは言うまでもない。
系統の違う超絶イケメンたちを引き連れているわたしが、嫌な女に見えていないかだけが心配である。
―――入学式も終盤に差しかかる頃。
そういえば………
『お兄様はどこかなぁ~!』
生徒会役員でもあるお兄様の姿を探す。
いたいた。すぐに見つけた。
光ってるから。
こうしてわたしは残りの時間、
お兄様の様子を思う存分に観察し続け…
いつの間にか入学式は終わっていた。
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