第26話 娘の誕生日プレゼント 1
うちの娘はかわいい。
親バカだと笑われるかもしれないが、
嘘偽りなくそれはそれは猛烈に、国イチ…
いや世界イチかわいいと自負している。
―――しかし、ちょっと変である。
どうも趣味が渋い。
元々そうだったわけではないが、
病床から復活してから「人生楽しまなくては!」が口癖となり、なにやらいろんなことをやり始めている。
先日など、いつも以上に緊張した様子で
恐る恐るおねだりをしてきたと思ったら
(その時はあまりに愛らしくて悶絶し膝から崩れ落ちた)
急に「サウナと、小さなバスタブと、ベンチが欲しい」と言い始めた。
どうやら、それが誕生日プレゼントのリクエストらしい。
サウナという言葉など聞いたこともなかったが、なにやら熱い蒸気をちいさい小屋にため、その中に入り汗をかくのだという。
「蒸湯ですよ!」と言われたが、謎すぎる。
…何かの本で得た知識のようだ。
なぜわざわざ汗などかきたいのかも分からなかったが、そのサウナとやらに入った後、冷たい水に浸かり、ベンチで休むことで健康になるとか。
そんな極端なことをして、うちの天使のような娘がどうにかなってしまわないか心配になり難色を示したが…
それが健康と美容に良いのだと言い張る。
追い打ちをかけるように目を輝かせながら、
「専用の薄着をつくれば、お父様とも一緒に楽しめるんです。あ!お母様とお兄様とみんなで楽しめるかもしれませんね!」
と嬉しそうに言われてしまえば、頷くしかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます