第25話 誕生日プレゼント 2
「うーーーーーん……そうですね……」
とりあえず何も言わないのも心配かけるので
悩んでいる素振りを見せる。
「なんだ!なんでも言ってみなさい。
今まで本ばかりだっただろう?
化粧水の売上もある。心配しなくていい。」
わたしが珍しく悩みこんでいるので、お父様は察したみたいだ。
さすが、レディの心も読めるイケメン…!
「ちなみに、とってもワガママなおねがいになる気がしていて…予算はどのくらいですか?」
勇気を出してそう聞いてみると、
「お、珍しい…そうだな…
希少な宝石類は少々困ってしまうが。
どうした?どこかに別荘でも建てようか?」
―――とんでもない返事が返ってきた。
別荘は即決できるくらいの
希少な宝石類って一体どれだけ高いんだろう!
ま、まぁとにかく。
わたしが欲しいものは大丈夫そうなことだけはわかった。
なるべく、予算はかからないようにしたい。
材料費も調べる必要があるし……
設計図も描かないといけない。
「別荘のように費用はかかりません!
お心遣いありがとうございますお父様。
また、欲しいものと必要なものが決まったら相談させてください!」
わたしはそう答えると、
「そんなことを言えるお父様がかっこいい」だの、「みんなの気持ちが嬉しい」だの言って
この後のワガママおねだりのクッション材を仕込んでおいた。
3人ともデレデレである。
ニコルが浪費家の超絶ワガママ令嬢に育たなかったのが奇跡だ…
ちなみに"ニコルお嬢様"の誕生日は
わたしと同じ8月18日。
亡くなった日も同じだから運命を感じざるを得ない。
『あなたの家族も自分も、たのしく幸せに暮らせるようにするからね。』
天国で見守っているであろう"ニコルお嬢様"に、そっと祈りを捧げた。
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