第6話 転生した日

「は!はやく!医師を!医師を呼べ!」

「お嬢様が目覚めないのだ!」

「お嬢様!ニコルお嬢様!」

「ニコ…ニコ!目を覚ましてくれ!」


―――…ん?


なんだなんだ、

なんだかドタバタと騒がしい。


誰かが騒いでる…

何かあったのかな?


なぜそんなに騒いでいるのか気になるが

眠すぎるので目を瞑ったまま

しばらく耳だけを傾ける。


うーん…それにしてもこのボロアパート

壁薄いな~。

こんなにうるさかったかな。


もう少し寝ていたいのに…

体もなんかだるいままだし……


『なんでこんなに体がだるいんだっけ?』


風邪でもひいたかな、と思い返してみる。

そういえば昨日意識飛んだんだった。

除夜の鐘が聞こえて…


『除夜の鐘?』


あ、そうか今日は元旦だっけ!

てことは、さては

近所の皆さんが宴でもしてるのかな。


『いいねぇ、お雑煮食べるのかな~ふふふ』


ふ……?


家族揃って、朝からおせちやお雑煮を食べているだろう姿を想像したところで、一気に血の気が引く。


―――待てよ。

い、いま何時!!!???

朝!?朝なの!?


―――ガバッ!!!!



「やばいっ……バイトに遅刻する~!!!」

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