30
「いいですよ、もっと笑顔を見せてみましょう。うん、上手ね」
一組ずつ先生が見て回る。
これ、私失敗したらさらにランク下げられて退学とかもあるんじゃ……。
「どうしよう、大和。もうすぐ先生来ちゃう。私踊りとか出来ない……!」
「俺に合わせて」
大和は耳元でそう言うと、私の手をぐいっと引っ張った。
大和が誘導をしてくれているので、彼を見て真似しながらステップを踏むと踊れているような気持ちになった。
っていうか、結構大和上手くない!?
あんなに一緒に外で遊んでたのに、どこでこんなの覚えたの!?
「次、回転するぞ」
「え、ええ?」
大和がぐんっと私を放り投げると、私はくるりと一回転した後、華麗に抱きかかえられた。
し、死ぬかと思った……。
その瞬間、拍手が沸き上がった。
「グレイト……!素晴らしいです」
柏木先生が私たちを見て拍手をする。
みんなも踊る手を止め、うっとりとした表情で大和を見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます