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私は大和のことを見る。

大和はSランクなのに、私を選んでいいの?


「いいから、早く手出せ」


彼は小声で私にささやいた。


「あり、がと……」


大和の手を取ると、彼は踊れるスペースを確保し私をそこまで誘導した。


「本当に私でいいの?」

「バカか、Eランクの姫と組む相手なんて俺以外にいるわけねぇだろ」

「……っ、うう、大和」


「泣くな!なんとしてでもランクをあげろ、ボケ」


分かってるけど……。

ボケまで言う必要なくない?


最初はちょっとカッコいいかもなんて思ったのに。


「っていうか私……社交ダンスなんてやったことないんだけど」


手を組み、周りの人を見てステップを踏んでみる私。

てっきり最初に先生が教えてくれるものだと思っていたけれど「最初はまず踊ってみてください」と言われただけ。


踊れるわけ、ない……。


他のグループはなぜかうまく踊れている。


もしかしてお嬢様って社交ダンス出来るのか当たり前なの?


複数のパートナーが華麗にダンスを披露して先生に褒められている。


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