29
私は大和のことを見る。
大和はSランクなのに、私を選んでいいの?
「いいから、早く手出せ」
彼は小声で私にささやいた。
「あり、がと……」
大和の手を取ると、彼は踊れるスペースを確保し私をそこまで誘導した。
「本当に私でいいの?」
「バカか、Eランクの姫と組む相手なんて俺以外にいるわけねぇだろ」
「……っ、うう、大和」
「泣くな!なんとしてでもランクをあげろ、ボケ」
分かってるけど……。
ボケまで言う必要なくない?
最初はちょっとカッコいいかもなんて思ったのに。
「っていうか私……社交ダンスなんてやったことないんだけど」
手を組み、周りの人を見てステップを踏んでみる私。
てっきり最初に先生が教えてくれるものだと思っていたけれど「最初はまず踊ってみてください」と言われただけ。
踊れるわけ、ない……。
他のグループはなぜかうまく踊れている。
もしかしてお嬢様って社交ダンス出来るのか当たり前なの?
複数のパートナーが華麗にダンスを披露して先生に褒められている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます