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って……Dランクは私だけ……?

つまり私がこのクラスで最下位ってこと!?


「こちらでオリエンテーションを終了いたします。それではごきげんよう」


先生はそれだけを告げると、教室から去っていった。


うう、初日から厳しい現実を突きつけられた気がする……。


「Dランクの人、お嬢様科にいるんだね」


「私Bで良かった~。果歩ちゃんもBだから同じB同士仲良くしてね」


「もちろん!」


クラスメイトがひそひそと話す声が聞こえてくる。


どうしよう……。

みんな同じランク同士、仲良くなってる。


これじゃあ私、友達が出来ないまま終わっちゃうよ……。


……そうだ!


『はい、これ。クラスの人と仲良くなれるようにパパとママが心を込めて作ったから』


朝、お母さんに手渡されたうちのお店の和菓子。


これをクラスの人に配ったら、みんなと仲良くなれるかもしれない。


私は和菓子が詰まった箱を手に持ち、教卓まで向かった。


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