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願うように待っていたけれど、私の名前は一向に呼ばれなかった。



「Cランクは以上になります」


みんながバッジを手にしている中、私だけがまだ何も貰っていない。


う、ウソでしょう……。

先生、私だけ忘れちゃったとか……。


ミスとかない?


「最後にDランクの授与です」


そう伝えると、先生は私を見た。


「赤坂凛音さん」


「は、はい……」


Dランク……。


私は小さな声で返事をし、身を隠すようにそそくさと先生の元に行く。


「赤坂さん、背筋をピンっと伸ばして品のいい歩き方をすること。DランクからSランクに上がって来た人も過去にはいますからね。気を落とさないよう、精進しましょう」


「はい……」


先生はそうフォローしてくれたけど……他のお嬢様たちが私を見てくすくすと笑っていた。


みんなに顔を見られるのも恥ずかしい……。



「以上でランクバッジの授与を終わります」


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