感触

 夜、寝るときのこと。

 ボクは部屋で寝ていたのだが、真夜中に来訪者がきた。


「水野くん。起きてる?」


 牛河さんだ。


 ボクは寝たふりをした。

 今日は色々なことがあって、疲れたのだ。

 心身ともに疲弊しきっていたボクは目を閉じて、意識が落ちるのを待っていた。――のだが、ベッドが重みで沈むのを感じて、目だけを横に向ける。


 暗くて見えないが、たぶんベッドに入ってきた。


「あの人、殺せなくてごめんね。でも、いつか、絶対に殺して見せるから」


 抱きしめられたとき、ボクは頬に冷たい金属の感触があり、ぞっとしてしまった。

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