願いの果てに 後編
旅行初日の夕食を終え、部屋へ戻ると修二が風呂を入れ始めた。
「桃瀬、一緒に入るだろ?」
「何っ!一人で入るわよ!」
まるで二人で入ることが当然のように振られ、里美はどう答えるべきなのか迷ったが今は同棲しているわけでもなく、一緒に過ごす夜が次はいつになるのか。
そう考えると一緒にバスタイムを楽しむ、それも有りだと思えてきた。
「…せっかくだし、入ろっか。用意したらすぐ入るから修二くん先どうぞ。」
恥ずかしげもなく修二が服を脱ぎ、先に浴室に入ると中からはシャワーの音が響く。
「…ねぇ修二くん、入っていい?」
「あぁ、どうぞ。」
なんとなくお互いに視線を落とし、里美が髪を洗い始めるのと同時に修二は湯船へと浸かった。
長い髪が濡れ、クセのある髪はまるでパーマをかけたようにうねる。
全身を洗う里美の姿をまじまじと見つめ、そして見惚れた。
「そんなに見ないでくれる?恥ずかしいんだけど…」
「恥ずかしがることないさ、早くこっちおいで。」
身体に付いたボディソープを洗い流すと、髪を束ね湯船に浸かった。
食事で満たされた胃とアルコールが入っていることもあり、火照った身体と湯温が気持ちいい。
「やっとお姫様が来たな。」
「何言ってんのよ……あー、気持ちいいわ…」
浴槽内で、修二の前に里美が同じ向きで浸かって座るのは昔から同じだった。
「この入り方、懐かしいよなぁ…」
里美が少し振り向いて顔を見上げると、静かにキスをして修二の優しく見つめるその視線にふと愛しさを感じた。
後ろから細く小さな身体を抱き締めると、その存在は日々気を張り詰めている修二の心を癒す。
「で、さっき海でやってたやつ、パラセーリング?明日?明後日、どうする?」
「天気もどうなるかわかんないもん、早めに予定しておこうよ。」
「じゃあ、そうするか。俺今日、全然仕事のメールチェックしてないんだけど大丈夫なもんかね?」
「あー、目は通しておいた方がいいかもね。私はさっき見て、特には大丈夫そうだったけどさ…」
修二の両手が里美弾力のある両胸を背後から揉み、ため息をつく。
「何?仕事のこと考えるの嫌になっちゃた?」
「いや、違う…おっぱいに癒されてるの。」
「バカじゃないの…!!」
そう言いつつも里美は振り返りながらキスを交わし、次第に修二の上に向かい合って股がる姿勢へと変わり抱きついた。
「修二くん…」
「どうした?」
「…好き」
交わす口付けが徐々に激しくなると、修二の腰が自然と上下して揺れる。
膣口に指で触れ、愛液で濡れているのを感じると、先端を当てがい徐々に挿入を試みる。
小さく頷き里美の顔が険しくなると、修二は感じる場所に触れる。
そして里美の身体がビクッビクッと揺れるとお互い呼吸が荒くなり、押し殺したような声が漏れ出す。
「桃瀬…声出していいんだぞ。聞かせて…」
ここ数ヶ月、行為の際に避妊具を身につけることはしなくなった。
早かれ遅かれ入籍することを本人たちは決めていたものの、仕事やプライベートの様々な都合上タイミングを逃していた。
『子どもが欲しい。』という修二の希望も今となっては二人の希望に変わっており、妊娠へ繋がるための行為を続けていた。
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