第23話
驚愕と困惑。
イムを倒すと共に現れた三人の人物がもたらした情報の氾濫。
「やっぱり解消するならここよね。私も出てみたかったのよ!」
「そうですわねぇー、イムくんがずっーと、出てましたしぃ、ふふふ。これでイムくんと同じですねぇ」
「……僕はもう出るつもり無かったんだけど」
それを解消するために急遽、生配信が行われていた。
場所は急遽アレナの作った小部屋の一室。
そこで勇者パーティーに、アイオーンチャンネル、新顔の二人がひとつのテーブルを囲っていた。
「……えっと、まずイムちゃんは倒したよね?それは視聴者のみんなも確認したよね?戦闘光景も配信していたし」
口元から何かを垂らし、グロッキー状態のイムを豊満な女性より奪ってその膝に乗せている和葉が疑問の声を上げる。
「……まず僕から?まぁ、良いけど。なーんて説明するかな。まずはスライムの生態からなんだけど、スライムは自分の体を分裂させ、それも変わらず自分の意思で動かせるって話したじゃん?一つの頭で十でも百でも兆でも、大量の体を動かせる僕たちスライムにとって幾つもの分裂体を潰されるのは別に痛手でもなくて、頭を潰されない限りはへーきなの」
「じゃ、じゃあ、私たちが倒したのはただの分裂体で痛手も与えられなかったの?」
「だったら僕はこんなグロッキーになってないよ。とある目的のために僕は自分の頭、とういうか魂かな。それをちょっとした外法で二つに割ったの。一つはこっちに来ないで引きこもり、もう一つはゴリゴリに存在の格を落としてからこっちに来て過ごしていた……君たちが倒したのはこっちに来ていた僕の片割れ、一度は別れたと言えども同じ自分の魂。それをぶち壊されたことで僕は死にそうになっているんだね」
本当に辛そうな様子のイムが和葉たちの倒した『イム』の正体について語り終える。
「なるほどね……それじゃあイム君の目的って何かしら?それが、私たちと敵対した理由何でしょ?」
「それを語るのは僕よりもそっちがいいかも」
珠美の質問に対し、イムは答えるのではなく視線を送る。
新顔の二人へと。
「ふふっ、とうとう私たちの正体を明かす時が来たようね。私は超級の魔物が一柱、『叛逆者』堕天使のルシアよ」
「私は同じく超級が魔物が一柱、『マザー』母なる懸濁粘性体の……そうねぇ、イミ、にしようかしらぁ?あぁ、でもこれじゃあ意味になっちゃうしぃ、そうねぇ、うん。イムマにするわ。よろしくねぇ」
イムからの視線を受けた二人は意気揚々と自己紹介を述べるのだった。
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