第22話

 爆発的な魔力と輝かしい光と共にこの場へと舞い降りた一人の神々しい女性が和葉たちへと笑顔を見せる。


「……何者ですか?」


 珠美は警戒態勢を維持しながら突然現れた女性へと疑問の声をあげる。


「お姉さま!!!」


 珠美の質問に女性が答えるよりも先に、この場にはいなかったはずのアレナの声が響く。


「お久しぶりです!お姉さま!こちらの世界でまたお姉さまにお会い出来るとは、感無量にございます!」


「えぇ、久しぶりね。アレナ……ちょっといいところだがら端の方で縮こまっていてくれないかしら?」


「了解です!お姉さま!」


 いきなり現れたアレナは素直に女性の言葉へと頷き、大人しく離れて体育座りをして縮こまる。


「ごめんなさいね、ちょっとばかり邪魔が入ってしまったわ。何者、だったわよね?私はルシア。アレナの直属の上司にしてイムの同類よ」


「「「……っ!!!」」」


 イム。

 その名が出てきたことでこの場にいる全員に大きな感情を抱かせる。


「さぁ、いつもの如く祝福を与えましょう。貴方たちがボス階層をクリアした時と同じように……貴方たちには最高位の祝福を!と、言っても祝福の内容はこれがいいかしら?」


 女性、ルシアが指を鳴らすと、再び膨大な魔力が吹き荒れると共に一つの光が降りる。


「……案外ギリギリ」


 その光とともに降りてくるのは一人の豊満な女性。


「うぅ……」


 そんな女性の手には。


「いむちゃ……イムちゃん!?!?」


 一人の少女が。

 腰まで伸びた長くて綺麗な髪の毛と女の子のような美しい相貌を持った一人の可愛らしい背が少しだけ低めの少女が豊満な女性の手に抱き抱えられていた。


「離せぇ……僕はもうある程度満足したんだ。とりあえず飽きるまではダラダラするんだァ、もう十分働いただろう!?別に出来ることはお前でもできるではないかぁ……」


 そして、その少女は女性の手の中で、イムと全く同じ声を響かせていた。 

 見た目は少しばかり成長し、中性から少女の方に寄っているが、その子は間違いなく先ほど倒したイムであった。

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