第9話 電気

ようやくこの年は念願のコタツが買えました。

リュウの待ち望んだコタツでした。


私も待ち望んだコタツでした。

コタツをセットすると、リュウをコタツに入れてあげました。


そうすると、ポカポカ暖かいのか?ふにゃぁ~!と、言う顔で眠ってしまいました。

そんな姿を見ると、とても幸せを感じました。


私とリュウとふたりだけのコタツです。

幸せでした。


そんなある日。

いつもの様に、自転車で自宅に戻ろうと思い、何気に自分のアパートの部屋を見ました。


すると、電気が付いていました!!

「え?!合鍵は彼氏にしか渡してないし、彼氏はもう社会人で働いてる。今はまだ仕事で自宅にはいないハズ?誰がウチいるの?!」


私は恐怖におののきました!

「怖い!!」


しかし、真相を明らかにしなければなりません。

勇気を持って、部屋の鍵をドアに差込み静かに回してみました。


そして、カチャリと音がしてドアの鍵が解除されました。

ドアノブを回すとドア開きました。


すると、いつもの様にリュウが、「おかあしゃん、お帰りにゃ~!お腹空いたにゃ~!」と出迎えてくれました。


「おかしいな?誰もいないのかなぁ?」と、私は思いました。

そして、トイレから順番に開けて行きました。


トイレには誰もいませんでした。

次は6畳の部屋でした。


リュウも一緒について来ます。

6畳の部屋に入っても誰もいませんでした。


そして、押入れも調べました。

誰も居ませんでした。


「おかしいなぁ?何で電気がついてたんだろう?」

謎は深まるばかりでした。


思わず背筋がゾッとする様な感覚に教われました。

「なんだろう、この感覚は…。」


ふと、コタツの真上にある照明の紐を見ました。

ゆらり、ゆらりと揺れていました。


もしや?リュウが?

その、もしやのリュウが犯人でした。


私が仕事に行っている最中に、そのゆらり、ゆらりと動く紐が気になり、それを掴もうとしてジャンプして爪で引っ掛け、照明の電気を付けたのでした!!


原因が分かってホッとしました。

しかし、このイタズラには冷や汗をかかされました。


そして、このイタズラは暫くの間続くのでした。


リュウのおかしな話しはもう少し続くのでした。

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