第4話 命名

子猫は私が仕事から帰ってくると、玄関まで迎えに出てくる様になりました。

「おかあしゃん、おかえりにゃ~!」


そう鳴いているようでした。

そして、いつもの様にダダダダダッと走って来て私の肩にのり、「お腹空いたにゃ!」と鳴くのでした。


カルカンを与えながら、名前をつけてあげなくてはいけないと考えていました。

しかし、どうしてもこの子を見ていると、小雪ちゃんとか、小春ちゃんとか、さくらちゃんなども可愛い名前が浮かびません。


どう考えてもお転婆で、男勝りで、気が強く、男の子のようでした。

仕方が無いので、「龍之介」という名前にしました。


龍之介だと呼びにくいので「リュウ」と略して呼ぶことにしました。


その当時、高橋留美子さんの「うる星やつら」が流行っており、その中の登場人物の中に出てくる龍之介くんから名前を取りました。


本当は女の子なのに、お父さんのエゴで男の子として育てられた龍之介。

いつも「俺は女だぁー!!」と叫んでいる龍之介!!


生い立ちは違うけど、中身は女の子。

と、言うことで、名前が決まりました。


お転婆娘のリュウ。

名前を言うと、いつも男の子と間違われます。


どんな事をしでかしてくれるのやらやら。

なかなか、ユーモア溢れる猫でした。


そう、事件はまさに会議室ではなく、自宅でいつも起こっていたのです。

その犯人はいつもリュウでした。


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