第7話 激落ちした後で……

 という、意味不明な言葉で片付けられた……

 その上、なんて言葉で、格下かくしたみたいにディスられた……

 

 中間試験直前なのに、登川とがわ君から爆弾ばくだんほうまれたような感じ……

 まだ導火線どうかせんをパチパチと火がつたってる状態だけど、いつか大爆発だいばくはつしそう!


 

 そんな非常事態だったから、試験結果が急降下したけど、無理も無いって自己弁護じこべんごが出来た。

 

 親にはそれは通用しなくて、お母さんからしかられた。


「お母さんのように高卒で働いて、お父さんみたいにパッとしない人と結婚して、こんな灰色人生なんて送りたくないよね? もっと頑張って、一流高校や大学に進学して、良い相手をゲットしないと!」


 お母さんに言われると、説得力が有る。

 両親がののしり合う声に、小さい時から耳をふさいできた。

 それでもまだ両親がそろっているし、良い方だと自分に言い聞かせて来た。


 お兄ちゃんは、家族より自分の事が大事。

 ゲーム環境が整ってるなら、今のままでも、離婚してもかまわないって。

 

 そんな両親と、お兄ちゃんを見て育った私は、現実主義者になっていた。


 私は、原田君と一緒の高校や大学を目指すの!

 たとえ原田君は無理だったとしても、原田君みたいな勤勉家きんべんかと絶対ゴールインする!


 今まで、それを目標として、これからもそのつもりでいたのに……


 成績が激落げきおちした!

 ずっと学年一けたキープしてたのに、順位が二桁まで落ちた……


三池みいけさん、調子悪かった?」


 原田君……!


 成績の個票こひょうが配られる時、学年の最高点や平均点、点数の分布が棒グラフに表されたプリントをもらう。

 これまで文系教科は、私が最高点を維持いじしてたのに、今回は原田君にゆずってた。


「うん、ヤマが外れた。原田君、スゴイね! 5教科ともトップって!」


「ありがとう」


 ありがとう……って!


 れくさそうな表情の原田君!

 それ、私に向けられたんだよね?

 なんか感動~!

 

 原田君に声かけられて、そんな顔をおがめた事がうれぎたから、成績が落ちたショックも消えてた! 

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