クリスマスSS-③ クリスマス争奪クイズ大会1(陽菜視点)

 今年もクリスマスが近づいて来た。

 クリスマスの直前の金曜日、私たちはいつものように泊まり込みでみおちゃんのマンションに集まってご飯を食べている。


 クリスマスといえば恋人たちのためのイベント……なんだけど、私たちには恭介くんという恋人がいていわゆるハーレム状態なのでちょっと一般的なクリスマスとは違ってしまうわけで……


「それじゃあ今年のクリスマスイブの夜はしずくちゃんが恭介くんと一緒にいられるってことでいいかな?」

 いつもはイベントの夜は恭介くんを中心に全員で愛してもらうんだけど、クリスマスという特別な日には2人っきりでそばにいたいっていうみんなの意見を聞いて恭介くんと相談した結果1日につき1人ずつで毎日2人っきりで誰かが過ごすようにすることになった。


 終業式が12/24なのでその後みんなでみおちゃんちでクリスマスパーティーをした後で恭介くんとしずくちゃんが残って二人っきりのクリスマスイブを過ごす予定。


「しずくは受験勉強を本当に頑張ってきたからな。『ラストスパート前に癒しと潤いを』って陽菜が言ってるんでみんなも了解して欲しい。あとみおは部屋を何というかラブホ代わりというかヤリ部屋みたいに使っちゃってごめん」

 恭介くんがみおちゃんに素直に謝る。


「いいっていいって。あーしたちも2人っきりの聖夜性夜を順繰りにしてもらうんだし。しずくは本当に医学部受験を学校推薦してもらえるまで持ち込んだんだからご褒美があるべきっしょ。クリパにはゆうきっちとゆうか、それに理央っちも来るからそれが終わってからってことで」

 みおちゃんがパタパタ手を振りながら答えている。


「そうだな。私たちは剣道で推薦してもらったおかげで実技と面接でほぼ合格が決まっているが、しずくちゃんはまだ共通の点数があるからあんまり遊んでる暇はないしな。一番打者になっていいと思う」

「しずくちんはよく頑張ったんだよ。これはサンタさんからのご褒美なんだよ」

 恭介くんたち剣道組とメイクの専門学校に行くみおちゃんはそれなりに余裕があるので今年もシークレットサンタと保育園への訪問をする予定になっている。私も行きたいけど受験生なので今回は自粛させて貰った。


「ありがとうみんな。おかげで受験の方はメドがついたというかどうにかなりそうだし、クリスマスは楽しませてもらうね」

 しずくちゃんが笑顔で答える。私の受験勉強はしずくちゃんほどランクが高くないんだけどそれでも大変なんだからしずくちゃんの頑張りは本当に驚異的だ。


「あ、でも……みおちゃんが迷惑なら私は恭介さんとラブホに行っても……」

 大人っぽいしずくちゃんと恭介くんなら大学生っぽい格好さえすれば普通には入れると思うけど……

「いや、それは止めておいた方がいいな。の時期はもいっぱいになると聞いているし、もし何かあって補導でもされたら受験に悪影響があるかもしれない」

 風紀委員のひよりちゃんらしい心配にしずくちゃんも苦笑いを浮かべている。


「いいって本当にそんなこと気にしなくても。あーしらの仲じゃん。まあ、なんだよね……もしよければ2人でエッチを始める前にあーしのことを配信室のトイレにでも拘束しておもちゃも使って放置しておいてくれればいいから」

 みおちゃん!? ひょっとして放置プレイ? っていうやつのおねだりしてる?

 まさかクリスマスの期間中毎日放置プレイされる気じゃないよね?


「みおちゃんずるいんだよ。それだとみおちゃんだけ毎日ご褒美なんだよ」

 まるちゃんが抗議してるけどまるちゃんが縛られておもちゃを使われて放置されてると絵面が犯罪にしか見えないので絶対に禁止NGだと思う。

「まるっちは別にドMじゃないからご褒美にならないでしょ? これはドMのあーしとひよりっちだけの特典性癖だから」

「ちょ、ちょっと待ってくれみおちゃん。私はというわけではないんだぞ。ちょっと恭介にいじめられると気持ちよくなってしまうだけで」

 慌てたひよりちゃんがとんでもない告白をしているけど大丈夫かな?


「分かったんだよ。だったら次は25日以降のきょーちんの順番をみんなで決めるんだよ。まるも今年は剣道を頑張ったしいい子にしてたからきょーちんと沢山一緒にいたいんだよ」

「それを言うなら私は剣道で日本一になったんだぞ。私がしずくちゃんの次でいいんじゃないか」

「ちょっと待つし、あーしは部屋を提供してるんだからそんなに連続で放置プレイされるのは納得いかないし」

 ちょっとみんな、いつもは私のことを正妻とかいって立ててくれるけど今回ばかりはやっぱり譲れないよね。私も譲れないから譲れない戦いがここにはある。


「あ、陽菜ちゃん待って。ここで正妻特権を使っちゃうとやっぱり不公平感が強いからここはみんなでゲームして順番を決めようよ。ゲームして勝った人から25日から順番に恭介さんと過ごせるってことで……」

 しずくちゃんがそんなとんでもないことを言い出して私たちはクイズ大会を開催することになったのだった。

--------------------------------------------------------------

ちょっとした小話

ひより「ところでみおちゃんがいうに放置とは何か意味があるのか?」

みお「ん、なんていうかトイレに放置されるってゾクゾクするっていうか……恭っちから聞いたんだけどあっちの世界のそういう漫画とかだと女の子の裸とか体が価値があるからそれが汚されるってところがめっちゃエロイんだって」

ひより「ふむ……に恭介が全裸で縛られているみたいなものか……た、確かにそれは犯罪的だな」

しずく「ちょっと、ひよりちゃん……鼻血ティッシュで拭いて」

まる「きょーちんは貞操逆転してるからトイレで放置されても平気なんだよ。嬉々として襲われちゃうんだよ」

みお「確かに……誰でもいいってわけじゃないけどトイレで脱いでたら男が興奮してくれるんだからあっちの世界って羨ましいよね」

陽菜(う、羨ましいのかなぁ……こういうところのズレは一生感じ続けるのかも)


なんていう会話が食器を片付けながら繰り広げられたとか繰り広げられなかったとか。


※すみません。こちらの設定ミスで公開されていませんでした。2時間遅れて公開です。

今確認して公開されていなくてびっくりしました。心配された方いたら申し訳ありません。

去年クリスマスSS-①②だったので今年は③からです。

クイズ大会の導入までで長くなったので本編? のクイズは次回。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る