番外編⑮ 賢者の贈り物③(里歩視点)
そんなこんなで陽菜ちゃんに連れられてみおちゃんのマンションに行っていろいろと相談できたわけだけどちょっと安心したというか気持ちが軽くなった。
みおちゃんに大人のおもちゃを借りた後、すぐに帰っても良かったんだけどゆうかちゃんも含めた4人でいろいろと話をしていたらそれなりに遅い時間になってしまった。
「それじゃあ、みおちゃんの晩ご飯を作って帰るからゆうかちゃんと里歩ちゃんも一緒に食べて帰ってよ」
そう言うと陽菜ちゃんが席を立ってリビングからカウンターテーブルの方に移動して勝手に冷蔵庫を開けている。
「あ、陽菜っちが晩ご飯作ってくれるの? ラッキー! 今日はどこに何を注文するか悩んでたんだよね」
「陽菜先輩の作るご飯、美味しいから私も嬉しいです。多々良先輩を墜としたお弁当は伝説ですし」
みおちゃんも作ってもらうのが当然のように返事しているし、ゆうかちゃんも何度か食べたことがあるみたい。確かに私も2年生の時の宿泊研修で陽菜ちゃんの手際の良さは見せて貰ってるけど。
「ご飯が炊いてないからご飯を炊くよりもリゾットにしちゃおうかな? あ、鮭があるからこれを使って……」
陽菜ちゃんが冷凍庫を見ながら献立を考えている。へぇ、私も家で手伝いくらいはするけどあんな風に献立を考えるとか無理だし。
気になるのは冷蔵庫は外から見てれば分かるけど米びつなんてどこの置いてあるか知らなかったら最初から見つけられないよね。やっぱり陽菜ちゃんはこの家で調理することに慣れてるだと思う。
「あ、陽菜ちゃん。私も手伝うよ。なにしたらいいかな?」
「そう? じゃあこっちのリゾットに使う鮭を二切れ分レンチンしてほぐし身にして貰っていい? その間に残りの鮭をホイル焼きしちゃうから」
あっという間にサケの切り身をホイルに包んで細切りした玉ねぎやシメジをのっけてオーブンに。さらに流れでみじん切りした玉ねぎをフライパンでバターを入れて炒めている。陽菜ちゃんの料理に手際の良さに改めてびっくりしてしまう。
「陽菜ちゃんってお料理凄く上手なんだね。昔から料理してたの?」
ちょっと羨ましくなって聞いてしまう。恋人が出来たら手料理って振舞いたくなるものなんだね。
「えっと……恭介くんに食べて欲しくて中学生の頃からお料理の練習をしていたの」
うっすら赤くなっている陽菜ちゃんが可愛い。こんな可愛い女の子多々良くんじゃなくても惚れちゃうよね。
「ええっ!? 陽菜ちゃんって多々良くんのことを中学生の頃から好きだったの?」
「本当はね、小学生の頃からずっと好きだったの。だから中学生になって手術に成功して元気になってからお料理頑張ろうって思って」
ヒナちゃんと言えば小学生の頃に多々良くんのおちんちんの写真を撮ったりしてたってことで有名だったはずだ。中学生からまるっきり方向性が変わってない?
「好きだからおちんちんの写真撮ってたんだよね? なのにいきなりお料理を食べて欲しくなったの?」
「え!? あ、ああ、そうか。う、うん、話すと長いんだけどずっと恭ちゃんのことを好きだったのは本当だから」
なんだか苦笑気味に言われるけど陽菜ちゃんは多分嘘をついていない。何か言えないことがあって、それは私がもっと親しくなったらいつか教えて貰えるのかもしれない。
その後陽菜ちゃんが家政学部に進んでもっと家事や料理を勉強して、将来大勢の朝食や晩ご飯を一度に作ることになると思うけどそれが楽しみで仕方ないのだというようなことを言うので彼女は将来をしっかりと見据えているのだなって思った。
サーモンとチーズのリゾットと、ホイル焼き、サラダの晩ご飯は凄く美味しくて、私と田中くんの話を中心に会話も弾んだ。
・
・・
・・・
そして今、私はホテルのベッドで隣で横になっている田中くんの寝息を聞いている。
私たちの初めては激しくはなかったけど凄く幸せな時間だった。最初は私ががっついてしまって田中くんの上に跨るようにしてエッチしちゃったけど……一休みした後は抱き合うようにして田中くんが上になって二回戦までしてくれて。
男の子は初めては緊張しちゃってなかなか勃たないって言うし私は
「はぁ……こんなに上手くいくなんて」
二回戦して疲れてしまった田中くんは寝てるけど……
年頃の童貞男子の親御さんだもんね。嘘をつかせたことにちょっぴり罪悪感。
「う、う~ん……」
田中くんが寝返りをうつ。田中くんにかけてあったタオルケットがズレて田中くんの乳首が!! じゅるるぅ……いや、今のは心の涎だから! 決して私が涎を垂らしてわけでは……
きゃぁぁぁっ! よく見るとおちんちんが見えかけて!? これは事故だから仕方ないよね。あれ? 田中くんのおちんちんって……
「あ、ひょっとして目が覚めた? ゴメンね、私がゴソゴソしちゃってたからうるさかったよね?」
「え!? あ、里歩さん? あ、ここって……」
自分がラブホテルの一室で全裸で寝ていたことに気付いて真っ赤になった田中くんが胸元にタオルケットを抱き寄せるようにしているのが可愛い。
処女を貰ってもらったばかりであそこが少し痛いけどもう1回して欲しいって思っちゃう。でもさっき見たおちんちんは可愛い状態になっていたし日をまたいでるって言っても1日3回なんて男子には無理だもんね。
「た、田中くんって包茎だったんだね……昨日はカチカチの状態に最初から自分でゴム付けてくれてたから気付かなかったよ」
男子は包茎とか恥ずかしがるけど、女子から見たら正直あんまり関係ない。いや、実際にエッチするとなったら真正包茎は大変だって聞くけどまだ高校生の私たちはおちんちんってだけでめちゃくちゃ興奮するから。
「あ、ゴメン……隠すようなことをして。実は多々良くんに相談して仮性包茎でもきれいに洗って勃起してる間にコンドーム付けちゃえば大丈夫って教えてもらって……昨日は自信がなかったから勃起薬も飲んでて」
田中くんは真面目だなぁ。自分の彼氏が誠実な人で本当に幸せだと思う。友達にも恵まれたし私も勇気を出そう。
「あ、あのね……田中くん、実は私は陥没乳首なの。田中くんとベッドに入る前にお風呂に入ってきたでしょ。あの時に乳首を刺激する
そう言いながらおっぱいの先っぽを見せる。今は凹んじゃっていて先っぽは全く見えない。小さく穴が凹んだみたいになっている。
「そうだったんだ……僕たちってお互いに考えすぎちゃっていたんだね。気を使ってくれてありがとう」
そういうと田中くんの顔が私に近づいて……キスしてくれた。唇を合わせるだけのキスだけど……エッチの最中は恥ずかしいのに頑張って舌を絡めてくれたし、男の子もやっぱりエッチなことに興味あるんだなって思う。
「なんだっけ……オー・ヘンリーの小説にこういう話があったような気がするね。クリスマスに夫婦が贈り物をする物語」
「夫婦って僕らには早いし恥ずかしいよ。えっと、里歩ちゃんの乳首って刺激を与えたらいいってことだよね」
そう言うと田中くんが私の乳首を口に含んで舌で刺激してくれて……その後は私も生まれて初めておちんちんを咥えたら最初はくすぐったがっていた田中くんだけど最後は私のお口で感じてくれて、舌で剥いてあげてからコンドームを付けて三回戦目をすることが出来た。
コンドームの中に出してくれた分を捨てる前にちょっと舐めて味見しちゃったのは絶対に田中くんに知られちゃダメだけど、恭介くんに貰った
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ちょっとした小話
陽菜「あのね、里歩ちゃんが
私にそう言うと陽菜ちゃんは自分の制服を脱ぐとブラウスのボタンをプチンプチンと外していく。
みお「陽菜っち、里歩っちのことを本当に応援してるんだね。いいと思うよ」
陽菜「うん、私の経験が少しでも力になると思うから。あのね、里歩ちゃんの悩みと同じような悩みを私も抱えていたの」
里歩「陽菜ちゃんも陥没乳首なの?」
陽菜「ち、違うよ/// うんしょ(ぶるん)、えっと……流石に全部見せちゃうのは恥ずかしいから」
そういうと陽菜ちゃんはブラジャーを上にずらしながら両方の手でおっぱいの先っぽを覆うようにして隠している。そのまま凄く大きなおっぱいを左右に引っ張るようにして谷間を広げていく。
ゆうか「陽菜先輩のおっぱいってすごくエッチ……」
同感というか、なんで同性のおっぱいをこんなにエッチだって思っちゃうんだろう? 陽菜ちゃんが顔を真っ赤にして恥じらっているから?
里歩「あ、陽菜ちゃんの胸の真ん中に傷跡? これって手術した跡?」
陽菜「そうだよ。里歩ちゃんとゆうかちゃんなら知られてもいいし知っておいて欲しいかなって思うんだけど、私は中学1年生の時に心臓の移植手術をしてるの。この傷は私に生きていける健康な心臓を貰った証拠の傷あとなの」
ゆうか「そうだったんですね。それで夏の水着撮影の時も胸元が開いてない水着で……」
里歩「それで今回の相談にあんなに親身になってくれたんだね……でも私と違って傷あとだと隠せないよね? 陽菜ちゃんはエッチの時大丈夫だったの?」
思わず聞いてしまった私に陽菜ちゃんとみおちゃんが顔を見合わせて笑い合う。
「大丈夫! 恭介くんだもん」
「大丈夫! 恭っちだし」
2人の声がハモるのを聞きつつ、恭介くんを含めたみんなの関係がちょっと気になってしまった。
人の輪が少し広がって、また新しい繋がりが生まれました。
次回更新は5/5です。次回は貞操逆転世界の合コンの話。
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