番外編⑭ 賢者の贈り物②(陽菜視点)

 トイレで里歩ちゃんのおっぱい陥没乳首を見せられた私はとにかく場所を変えようとみおちゃんに電話を掛けた。


 プルルルルプルルルル……ガチャッ


「もしもし、陽菜っち? 放課後の早い時間にどうしたの?」

 放課後のみおちゃんは大抵光画部の部室にいるか自分のマンションに帰って配信か動画の撮影や編集をしている。

「もしもし、みおちゃん? 今どこにいるの?」

「え、マンション自分の部屋にいるけど……」

「だったら今からそっちに行ってもいい? あのね、里歩ちゃんが一緒だけど大丈夫?」


 ということで里歩ちゃんを連れてみおちゃんのマンションへ行くことになった。今いるファミレスは学校の近くの駅前のファミレスだから、みおちゃんの家までは電車で一駅。それほど時間がかからずにみおちゃんの家に着く。

「いらっしゃい、陽菜っち、里歩っち。まあとにかく上がって上がって」

 オートロックのマンションの一室に1人暮らししているということを知らない里歩ちゃんはおっかなびっくりついてくる。


「あ、陽菜先輩。こんにちは。……こっちの可愛い子は誰ですか? はじめましてですよね?」

 みおちゃんの家のリビングにはゆうかちゃんがいた。2人でυ'sユーズの新しいミュージックビデオとこの先の展開について話をしていたらしい。

「は、初めまして……早川里歩って言います。お兄さんの村上くんのクラスメイトで……あの、ゆうかさんのファンです。良かったらサインしてください」

 2人が自己紹介したりサインしたりしている間にみおちゃんに耳打ちして早川さんの相談内容を手短に伝える。


「なるほど……乳首陥没が気になって初エッチがってことか。ちょっと状況確認しないといけないけどとりあえず対処療法からかな? ゆうか、ちょっといい?」

 みおちゃんが2つ並んでいるパソコンチェアの1つに座り直し、自分の膝をトントンと叩く。

「?」

 疑問符を浮かべながらも大人しくそのみおちゃんの膝の上に座るゆうかちゃん。

 悪い予感しかしないけど自分がその役目を担わずに済んでよかったって思ってしまう。ゴメンね、ゆうかちゃん。


「えっと、まずは里歩っちの悩みなんだけど……これをよく見てて」

 みおちゃんがそう言いながらゆうかちゃんの背中を一撫ですると、プチッと音がしてひゃんとゆうかちゃんが可愛い声をあげる。

「な、なんですか? みお先輩、なんで私のブラのホックを……?」

 慌てるゆうかちゃんだけどみおちゃんはまあまあと宥めながら彼女の右側のおっぱいに自分の右手を持っていく。


 みおちゃんの手でブラが外れてカップを上にずらされたゆうかちゃんの胸の先っぽをブラウスの上からこねる。クニクニと人差し指と親指で挟んで刺激したり、ピンっと人差し指で弾いたりしてる。

「あ、んッ……だめ、みお先輩……ああっ」

 ゆうかちゃんが真っ赤な顔をして逃げようとするけど腰の部分をしっかりと左手で押さえられて、その上腰砕けで力が入らなくなっているからなされるがままになってしまっている。


 そうして3分もみおちゃんの愛撫が続いただろうか。そのあまりにエッチで淫靡な光景に私と里歩ちゃんは口を押えて真っ赤になって見ていることしかできない。

「はぁはぁ……ひどいれしゅよぉ……みお先輩、右だけじゃなくてひらりも、ひらりの乳首もしたアソコも触ってくらしゃい……」

 少し涎を垂らしながら絶対アイドルがしちゃダメな顔をしながらゆうかちゃんがおねだりしてる。


「後で可愛がってあげるね。これを見て貰えば分かると思うんだけど愛撫したり気持ちよくしたら、乳首ってこのくらいは普通に勃起するから」

 そう言いながらみおちゃんがゆうかちゃんのCカップのおっぱいにブラウスの布を押しあてるようにして私たちに見せる。

 そこにはブラウス越しだけど薄っすら透ける桜色があって……右と左でぽっちの大きさに明らかな差があった。右の方がより大きく飛び出している!


「凄い! ゆうかちゃんの右の乳首ぽっちが明らかに飛び出してる」

「本当だ! ブラウスの上からでもはっきりわかる。右の方が左より5mmくらい出っ張ってる」

 思わず里歩ちゃんと2人で歓声を上げると、ゆうかちゃんが涙目で真っ赤になっている。

「わ、私はアイドルなんですよ!? 悩みがあるって聞かされたから力になりますけど、こんなサービスめったにしないんだからね!」

 アイドルは絶対こんなサービスしちゃダメだと思う。


「まあ、こんな感じで初エッチの前にシャワーを浴びに行く隙とかトイレに入ったふりして乳首を刺激したらいいと思うよ。初めてのエッチさえ乗り切っちゃえば、ちゃんと相談して2回目以降のエッチの時は前戯として乳首を出して弄って貰うプレイにしちゃえばいいんだし」

 里歩ちゃんに向かって言いながら、今度は両方の手の指でゆうかちゃんの両方の乳首をクニクニしながらみおちゃんがアイディアをくれる。

 流石みおちゃん、だけどゆうかちゃんはもう息も絶え絶えでお口から舌が出たり大変なことになっちゃってる。アイドルが絶対しちゃダメな顔だ。


「そ、それじゃあ練習で私も一回藤岡さんに……」

 ふらふらとみおちゃんに吸い寄せられる里歩ちゃんの肩を掴んで止める。田中くんも初めてなんだし「みおちゃんの方が気持ち良かった」とか言ってハマっちゃたら困る。NTRダメ! 絶対!


「そう言えば、里歩っちって陥没乳首だからいつもノーブラだったんだね。陥没なら乳首ぽっちが目立たないもんね」

 信じられないことだけどこっちの世界ではノーブラの女子が結構いるのだ。まるちゃんもそうだったけど、女の子のおっぱいに価値が認められてないから……恭介くんなんて巨乳だろうが貧乳だろうが陥没だろうが全部に価値を見出すのに。

 やっぱり世界の違いって怖い。パンチラだってみんなほとんど気にしてないもんね。みおちゃんとか前までしょっちゅうパンツ見えてたし。

 もっとも最近は恭介くんの独占欲を知ってからは自分たちのパンツには価値があると思って元の世界の女の子みたいな羞恥心と鉄壁防御を手に入れつつあるけど。


「とにかく、みおちゃんの魔の手にかかっちゃダメ! その人は魔性の女だから元の道に帰れなくされちゃって、ちさと先生みたいに後戻りできなくなっちゃうよ!」

「ちさと先生って何かあるの?」

 しまった! ちさと先生がレズ風俗大好きで女の子とのエッチで感じちゃうっていうのは私たちだけの秘密だった。


「まあ、それはそれとして……乳首を勃起させる気持ちよくする用のおもちゃもいくつか持ってるから貸してあげるよ。里歩っちが上手にエッチ出来たら返してくれてもいいし、気に入ったらそのままあげちゃうから。えっと……ローター恭介8号ニップルドーム恭介15号でいいかな?」

 みおちゃんがベッドの下から引っ張り出してきたアダルトグッズの箱から怪しげな器具を取り出している。ローターは使われちゃったことがあるけど……もう一つの方は吸盤で貼り付くようになってて中心のブラシが振動するようになってるみたい。あんなので乳首を刺激されたらどうなっちゃうか分からないよ……なんて凶悪なおもちゃなの!?


「あの……藤原さん、恭介8号と恭介15号ってひょっとして大人のおもちゃに多々良くんの名前を付けてるの? やっぱり多々良くんのことが忘れられないんじゃ?」

 私とみおちゃんの顔を見比べながら心配そうに里歩ちゃんが言う。修羅場とか横恋慕じゃないから心配しないで。って言えないけど……私も人狼ゲーム最強のはずなのに耳まで赤くなってて説得力ないけど。


「と、とにかく、里歩っちはこれを持って帰って練習して、当日はバレないように頑張る勃起させること。エッチが始まっちゃえば男なんて優しくして愛してあげればどうにかなるから……

 って恭っちから電話だ。ちょっと待ってね……(ピッ!) はいは~い、え!? 勃起薬? あ、うん。前の男が使ってたのがあるけど……分けて欲しいって恭っちが? ああ、別の人が使うから……うん、恭っちは必要ないもんね。もう、そんなことないってば……うん、あーしの方こそ、いっぱい可愛がってね。それじゃあ明日持っていくから」

 ピッ!


 電話を切ったみおちゃんだったけど、今の電話で失言しまくってるから!? 里歩ちゃんがアワアワしてるし、ゆうかちゃんはまださっきの影響かみおちゃんの肩にごろにゃ~んって甘えてるからあんまり聞こえてなかったみたいだけど。


「と、とにかく! 里歩ちゃんは初めて初体験頑張ってね! あと避妊は大事!」

「う、うん。ここで見たり聞いたりしたことは全部秘密にするから!」

 持つべきものは口の堅い友人だと思った1日でした。


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ちょっとした小話-Boy’s Side-

恭介「それで包茎って言うけどどのくらいなの? フル勃起した時の状態をこの3つの状態の中から教えて」

そう言うと俺はスマホの画像を出す。いつだったかさちえさんが手紙に描いていた包茎のイラストだ。


①露茎(ズル剥け)

________

      (  )

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

②仮性包茎(半剥け)

_______

       | )

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

③真性包茎(恥ずかしがり屋さん♡)

_______

        ))

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

恥ずかしそうに②を指さす田中。

田中「えっと……ふ、フ……ルぼっ……かどうか分からないけど、たまに朝とか大きくなってる時はこんな感じ」

めちゃくちゃ恥ずかしそう。朝勃ちもフル勃起も恥ずかしすぎて言えないみたいだな。

これって元の世界で例えると、処女がメチャクチャビッチな女友達ギャルに初体験について質問するんだけど、ビッチが露骨すぎて恥ずかしがってるって感じなのか?

うう、男子からの扱いが相変わらずすぎて辛い……


恭介「分かった。でも剥ける……ってことは初エッチするのにちゃんと勃起さえしちゃえばお風呂でチンカスも洗えるし、コンドームもちゃんと付けれるから安心してイイと思う」

田中はもう真っ赤かである。もう、女の子を相手してるくらいのつもりで優しく話してあげた方がいいんだろうか? 目の前にいるのはと思い込むのはどうだろう? 俺と同じくらいの身長で短髪だけど……どう考えても俺のペースで話すのは話が進まない。


田中「でも……っ……って言われても、そういう場面になったら出来るかどうか分からないし」

不安だろうなぁ……貞操逆転しているこの世界では元の世界で緊張してる処女の女の子が濡れるかどうかくらいの大問題だろうし。そう言えば陽菜をはじめとしてみんな初めての時凄く濡れてたからあんまり問題なかったけど……必要なら濡れにくかったらを準備するよな、あれと同じ感じでこの世界だとを準備するんだろうか?

あ、ちなみに女の子とエッチ性交する時に使うのは潤滑ゼリーでローションとは別物だから覚えておいてね。なんでそんなことを知ってるかって……お尻でのエッチの時に調べたんだよ。


恭介「勃起薬って飲んだことある? レビトラとかバイアグラとかいろいろあるけど……多分田中くんの場合は若いからきっかけ作りくらいで一回勃起しちゃえば刺激で最後までイケると思うんだよね」

真っ赤になって首を振る田中ちゃん(男子)。これでもまだ露骨な話し方すぎるらしい。

田中「勃……っきやくなんて恥ずかしくて買えないよ。どうしたらいいの?」

う~ん、この世界の感覚だと相手の早川さんに買って来てくれるようにお願いするのが正解とは思うけど、2人とも初めてだとハードル高いなぁ。


こういう時に頼りになる女子と言えばやっぱり……

恭介「ちょっと電話してイイかな? ピッ……(プルルルルプルルルル ガチャ)あ、もしもし、みお? あのさ……質問なんだけどみおの家って勃起薬ある? あ、あるんだ。へぇ……前の男が使ってたヤツ。ちょっと気に入らないけどそれ分けて貰ってもイイかな? いや、俺が必要なわけないでしょ? 別の人が使うんだよ。 ああ、みおを前にしたら興奮しちゃうからなくても大丈夫だし。みおがエッチで魅力的過ぎるからだよ。うん、愛してるよみお。次のエッチの時、また気持ちよくしてくれると嬉しいな、それじゃあ明日持ってきておいて」

ピッ!

田中「た、多々良くん? 今の藤岡さんだよね!? どういうこと? 藤岡さんってフラれたんじゃ……」

ヤバッ。普通にみおと話しちゃっていた。

恭介「今日のことは秘密だから。何も話さなかったし何も聞かなかったってことでいいね? 明日薬を渡すから、初エッチ初体験頑張って! 避妊は大事だから……コンドームの予備は……ってサイズが違うかな。それもみおに頼んで何種類か持ってくるから」

ここから先は2人で頑張ってもらおう。


Boy’s Sideが長かった……恭介くんとみおちゃんのコンビは恋愛相談? 最強コンビです。生徒会長選挙でも恋愛相談に乗っていました。

早川さんはじめとする三人娘とはこういった経緯で仲良くなって結婚式に来てもらうようになりました。

このお話、もう一回だけ続きます。

次回更新は4/21です。

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