番外編⑥-5 ヤってヤってヤリまくれば問題解決
「ねぇ、みおちゃんってひょっとして太った?」
陽菜は画面に映ったみおを見ながら自分が言われたことを今度はみおにぶつけちゃっている。
「へっ? あーし? あーしはウーバーイーツで注文する時もちゃんとカロリー計算してるから大丈夫だよ」
みおが気にした様子もなく陽菜に返しているけど俺は知っている。
「いや、実際にみおは太ってるよ。前までは完璧なスタイルだったけど最近はぽっちゃりぎみでお腹も摘まめそうだし」
エッチの時に気付いてた。初めてエッチした頃からだいぶ太ったよね。俺は別にそういうのをあんまり気にしてないし、この世界の女の子も気にしないだろうからみお本人には言ってなかったけど……
俺の一言でみおがショックを受けた表情になっちゃったよ。
あれ? この世界の女の子って体重とかスタイル気にしてないから問題ないと思ったんだけど……
「恭ちゃん!」「恭介さん!」「恭介!」「きょーちん!」「「「「女心をなんだと思ってるの!?」」」」
みお以外のみんなから説教される。さちえさんはちょっと呆れ顔。
結局陽菜とみおが太った理由は、みんなでみおの家に月の半分を週末お泊りするようになってから陽菜たち3人が作る料理がおいしすぎるのが原因だった。
特にみおは今まで一人暮らしでカロリー計算しながら食べてたかもしれないけど、週一で陽菜の家に泊まりに来て陽菜とさちえさんと俺と晩ご飯を食べて、週末の半分は陽菜たち3人の美味しい朝昼晩の3食をモリモリ食べてたから。
俺は美味しそうにご飯を食べる女の子が大好きだから陽菜とみおの食べっぷりを好ましいって思っていたしね。
「えっ!? ちょっと待って? 恭にぃたちがやり取りしてるのってひょっとしてインフルエンサーの
今さらながら完全に髪の毛を乾かし終わって俺たちの会話の方に注意を向けることが出来るようになった心愛ちゃんが騒ぎ出す。
考えてみると豪華なメンバーだよなぁ。しずくも実は有名同人作家のドロップロック先生なんだけど、もしも「自分から私も有名人だ」って心愛ちゃんに売り込もうとしたら流石にアウトだから。バリバリR18の同人作家を小学生に紹介なんて出来るわけないし。小学生に褒めて欲しかったら全年齢向けでヒットを飛ばしてからね。
あ、陽菜のみどりの先生もR15だから小説だとはいえ小学生は読んじゃダメだから。
そこからは小学生の心愛ちゃんがいろいろと気になることをインフルエンサーのみおに質問したり、ひよりの動画を見ながら剣道について語ったり、まると一緒に盛り上がったりしているうちに小学生は眠る時間になった。
陽菜とみおの
心愛ちゃんは俺と陽菜に挟まれるようにしてあっという間に寝てしまう。今日は家出して自力で新幹線と電車を乗り継いで我が家までやってきた心愛ちゃん。流石に小学生には大冒険で疲れてしまったらしい。
「陽菜、陽菜が気になるならダイエットに協力するけど? 実際にそこまで太ってるってわけじゃないんだし、しずくの言う通り普通体重の範囲内なわけだし。俺の方は今の陽菜もぽっちゃりしたみおも可愛いと思ってるってことだけは伝えておくよ」
「うん、私も別に昔みたいにやせっぽっちになりたいとかじゃないから。恭介くんが言う通りこっちの貞操逆転世界の女の子は元の世界の男の子と一緒で体型をあんまり気にしない人が多いのかもしれないけど、私やみおちゃんは好きな人に可愛いって……綺麗だって思って欲しいっていうのが大きいから」
そうか、俺のために綺麗になりたいって思ってくれてるのか。それだったら俺も協力しないとな。
「だったら、俺も協力するよ。基本的にカロリーを消費するように基礎代謝をあげて無駄なカロリーを取り過ぎなければ自然で健康的に痩せて行けるはずだから。最近さぼり気味になっちゃっていたけどみおの家に泊まった時も陽菜とみおは俺と一緒にランニングとかサイクリングをするようにしよう」
「ありがとう恭介くん。なんだか他のみんなも『みおちゃんと陽菜ちゃんばっかりずるい』って言いながら結局全員で運動することになっちゃいそうだけど」
「それはそれで俺達らしくていいんじゃないかな、しずくにトレーニングメニューを考えて貰おう」
「みおちゃんにもちゃんとした体脂肪計を置いて貰わないとね。うん、ゴメンね恭介くん。こんなことで大騒ぎしちゃって」
「いや、陽菜が俺のために綺麗でいたいって、可愛い陽菜でいたいって思ってくてるんだって分かったらめちゃくちゃ幸せだったから。とりあえず明日は俺たちは普通に学校に行くけど心愛ちゃんはお休みだし、この連休は心愛ちゃんがいるから一緒に楽しく過ごそう」
「あ、じゃあじゃあ遊園地! 恭介くんと心愛ちゃんとみんなで遊園地に行きたい!」
「ああ、それはいいね。天気もいいみたいだし。みんなにも声をかけて一緒に遊園地に行こう」
「うん、楽しみ。おやすみなさい恭介くん」
そのまま3人で眠りについたのだった。
翌日、学校に行くとみおがめちゃくちゃいい笑顔で俺の席にやって来て雑誌を一冊手渡される。女性向けのハウツー雑誌かな? 表紙にデカデカとその号の特集記事である「セックスで痩せる」という見出しが書かれている。
「恭っち知ってた? 30分のセックスって30分のランニングと同じ効果があるんだって……つまり毎日恭っちと2時間エッチしたら毎日2時間ランニングしたのと同じってことだよね? 要はヤってヤってヤリまくれば問題解決ってことっしょ? いや~、やっぱりあ~しって天才だわ」
クラスで大声で俺とセックスするという話をしているみおを慌ててしずくが口を塞ぎ、ひよりが雑誌を没収(風紀を乱す雑誌)、陽菜が「恭介くんは私のだから」を繰り出して、まるが大笑いしていた。
しかし、元の世界の男相手ならともかくこっちの世界のおクスリ必須みたいな男性陣に2時間のセックスを求めたら一発で関係が破綻しそうなんだけど大丈夫か?
あまりにも俺たちのいつもの日常がいつもの日常で、とんでもないことをクラスで言っているみおにとりあえずアイアンクローをかまして
いや、流石にセクササイズというかセックスダイエットは無理でしょ? みおだけが恋人なんだったら百歩譲ってどうにかなるかもだけど、みおと陽菜の2人でも1日4時間、他のみんなもって考えたら起きてる間ずっとセックスしてる計算になっちゃう。
昼休みに真面目に陽菜とみおのトレーニング計画を立てて、ダイエットを実行することが決定した。もちろん応援するしね。みおに関しては剣道部で一緒にトレーニングした方がいいような気もするけど。
その後、一緒にご飯を食べていたゆうきも誘って明日の土曜日に遊園地に行くことに。部活の時にさんご先輩と村上(妹)にも声をかけ、この前温水プールに誘ってくれたゆかり先輩(※)にラインで連絡して最終的に大所帯で遊園地に行くことになった。
遊園地ではひよりとまるが実演中のカポエラに触発されて会場の隅でカポエラの真似事(というか完コピーなんだけど)をしていたら気に入られて「カポエラガール」って呼ばれてステージに上げられたり、録れ高を求めるみおがバンジージャンプにチャレンジしたり、陽菜としずくが謎解きで無双したり、ふれあい動物園でゆうきとゆうかの兄妹が動物に異常に懐かれたり、さんご先輩が絶叫マシンで想像以上に絶叫、ゆかり先輩は昆虫食自販機と他のお客さんが食べていたコオロギソフトクリームで脱兎のごとく逃走していた。
心愛ちゃんは彼女の地元でいつも行く遊園地と違うしなびた遊園地でけらけら笑いながらみんなと楽しんでいた。
そんなこんなで心愛ちゃんがやってきた4日間、いろんなことがあったけど心愛ちゃんはみんなの人気者になりました。
「また冬休みに遊びに来るから」
「うん、待ってるから。心愛ちゃん、なんだか妹が出来たみたいで楽しかったよ」
「みんな心愛ちゃんのことが気に入ったみたいだから。冬休みもいっぱい遊ぼうね」
「日奈子さんも恭介くんも陽菜ちゃんも心愛のお世話ありがとうね」
叔母さんも叔父さんも心愛ちゃんが素直に地元で中学校に通うって決めてくれて一安心したみたい。流石に俺たちがいないこの街に住んでもしょうがないしね。
いつか俺たちの結婚式には心愛ちゃんも招待してぜひお祝いして欲しいなって思っちゃったよ。
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※ゆかり先輩と温水プールに行くエピソードは後日公開します。
次の更新は17日18:00になります。
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