第273話 我慢できる多々良恭介はいません
陽菜の家に2人で帰ってくるとさちえさんが晩ご飯を作って待ってくれていた。
サバの味噌煮とお味噌汁、それにホウレンソウのお浸しだった。
「恭介くんが北海道旅行の間、バイキング料理を毎日食べてたはずだから今日くらいは家庭的な料理がいいかと思って」
さちえさんが微笑みながらご飯をよそってくれる。すごくいいお嫁さんになりそう。ってもちろんさちえさんは陽菜パパのお嫁さんなんだけど。
なんとなくドギマギしながら椅子に座ると陽菜が嬉しそうに向かいの席に座っていただきますする。
いろいろと考えることの多い同人誌作成だったみたいだし、最後にはしずくとの話があったけど陽菜の表情が明るくてホッとする。
「お母さんのサバ味噌大好き。あ、お母さん、恭介くんの北海道のお土産明日届くって。私たちは明後日の旅行にみんなの分を持っていくから、明日は私とお母さんでお先に楽しんじゃおう」
陽菜の食いしん坊ぶりになんだか幸せを感じてしまう。
それにしてもさちえさんのサバの味噌煮は絶品だな。
「サバ味噌が本当に美味しいです。もう毎日食べたいくらい」
そう言いながらご飯に載せてパクパク食べる。合わせ味噌の風味が一番好きだな。
うちの辺りは普通のお味噌汁も白味噌寄りの合わせ味噌だから、一緒に食べる豆腐のお味噌汁も本当によく合っている。
「陽菜ちゃん、ひょっとしてお母さん今恭介くんにプロポーズされてる?」
「違うよ、お母さん。これはサバの味噌煮の作り方のレシピを私に伝授しておいてっていうお願いだよ」
仲のいい母娘だなぁと思う。陽菜が入れ替わった娘だから逆に反抗期もなく本当に仲良し親子になったんだろうな。
「「ごちそうさまでした」」
2人でごちそうさまをした後、陽菜とさちえさんはお皿を下げてくれて俺はその間に一度自分の家に帰ることにする。
「ちょっと帰ってくる。あ、お風呂はこっちで入らせて貰っていいですか?」
「いいわよ。日奈子さんにしっかり甘えていらっしゃい」
さちえさんに送り出されるが流石に母さんにはそんなに甘えられない。この世界に来た時から元の世界の母さんとあんまり違わないから自分の母親そのものだと思えるから大丈夫だけど、一歩間違えたら母さんにおかしな気持ちを抱きかねない環境なんだよな。
お母さんだけどお母さんじゃないとか背徳感バツグンすぎて危ない。いや、本当になにも感じてないからね。何もないよ。フラグなんて
「ただいま~、母さん明日俺の荷物もお土産も全部陽菜の家に来るからお土産はちょっと待ってて」
そんな会話をしながらも母さんからは今日も陽菜ちゃんのところに泊まるの? と聞かれてイエスと答える。
やっと陽菜と一緒にいられるのだ。旅行中さんざんひよりとみおとエッチしながらこんなことを言うと怒られるだろうけど陽菜がいない旅行はやっぱりちょっと寂しかった。
「いってきま~す」
自宅にいた所要時間15分。本当に陽菜の家にいる時間長いな。
お風呂に入って歯磨きや口の中の消毒をしっかりして陽菜の部屋に。ちょっとドキドキする。
「おかえりなさい、恭介くん。旅行中待ってるの寂しかったよ」
そういうと陽菜がギュって抱きついてくる。ギュゥっと抱きしめ返す。ちょっと力が入り過ぎっちゃったかも。
パジャマごしにだけど陽菜の胸が押し当てられて柔らかく潰れちゃっているのでちょっとドキドキしてしまう。
陽菜にキスをする。舌を絡めるような情熱的なキス。
「ただいま、陽菜。俺も寂しかったよ。陽菜がすぐそばにいなくてももっと安心できるようにならなくちゃって思うんだけどまだちょっと不安があるみたい。でもひよりとみおのおかげで大丈夫だったよ」
「世の中の遠距離恋愛のカップルとか単身赴任の夫婦ってすごいなって思っちゃった。三泊四日がこんなに長いなんて思わなかったよ」
「さちえさん達も凄いよな。ホントにずっと遠距離でラブラブだから尊敬する」
「そうだね。お母さんたちみたいに信頼しあえる夫婦になろうね」
陽菜と俺の間で結婚の話題は本当によく出る。小学6年生でプロポーズしたんだから当たり前かもしれないけど。
「それでね……恭介くん。謝らなくちゃいけないんだけど、生理が来ちゃった。恭介くんたちが飛行機で飛び立ったその日に始まっちゃったの」
ああ、何となく最近の陽菜にしては
ちゅっ
軽くキスをしてから陽菜の頭をポンポンとする。
「謝ることじゃないよ。陽菜の体がいつか赤ちゃんを産むための準備をしてる健康な体ってことでしょ。しずくの家で生理痛で辛かったりしなかった?」
「私は軽いほうだから……しずくちゃんは結構重くて動けなくなる日があるくらいで理央ちゃんは私と一緒で軽いほうなんだって」
陽菜が平気で俺に他の女子の生理事情まであけすけに話しちゃうのはこれまた貞操逆転世界の事情が関係している。陽菜は中学1年生で心臓の移植手術で入れ替わった時点ではまだ生理が来ていなかった。
だからこの貞操逆転世界の女の子と同じように生理をかなりポジティブに捉える感覚で生きている。
エッチが出来ないのは申し訳ないけど生理になったことを俺に話すのはそんなに恥ずかしくないらしい。
クラスの女子も生理になったとか、ナプキン派とかタンポン派とか、ナプキンは羽根つきが……とか、始まっちゃったからナプキン頂戴とか、そういう生々しいことを男子の前で平気で話したりする。
元の世界だと女の子は小さなポーチに入れてこそこそトイレに行ってたりしたけど、こっちの世界だと「はい、ナプキン」みたいな感じで持ってる子が忘れた子に投げ渡したり、そのままトイレ行ってくるわ~みたいに出ていくので元の世界の感性を持っている俺はかなりいたたまれない。
ちなみに他の男子はそういう時、「これだから女子はイヤなんだ」みたいな感じで赤い顔をしてやり過ごしている。
閑話休題
「明後日からの旅行大丈夫? 辛かったら無理しないでよ」
「旅行の初日にかかるかもしれないくらいでもうちょっとで終わると思うから」
陽菜があんまり恥ずかしがらないでくれるのは逆にちょっとありがたいかも。この世界だと男子の方がこういう話を避けがちなので俺が話せばサクサク会話はすすむ。
「じゃあ今日は何もしないで寝ようか。陽菜も疲れてるでしょ?」
俺がそういうと陽菜が俺のパジャマの胸元をギュッと掴んでくる。
「恭介くんに気持ちよくなって欲しいんだけどダメ」
上目遣いの陽菜にそんなことを言われて我慢できる多々良恭介はいません。熱いキスを交わした後、陽菜の頑張りに任せて気持ちよくして貰いました。
おててとお口とお胸とで1回ずつ。ひょっとすると陽菜の中ではこういう時のためにみおからいろんな技術を教わったのかもしれないと思ったくらい。
とくに陽菜は胸がすごく大きいし柔らかいので包まれてると天国みたいだった。
別に生理の間くらい我慢するよ。ケダモノだけど少しは理性があるから。でも陽菜も嬉しいみたいだから素直に気持ちよくして貰う。
はぁはぁ……
終わって2人でちょっと荒い息。陽菜は生理中なので生理用パンツを履いたままだけど2人で裸でベッドに横になる。陽菜の背中から抱き着くようにしてパンツの中に手を入れて手のひらで下腹部を温めるようにしてあげる。
一瞬だけ深く手を入れすぎてナプキンの方まで手が入って陽菜の敏感な場所に当たったって陽菜がビクンってしたけど、ちゃんと手の位置を調整してそのまま眠りについた。
「恭介くん……私幸せだよ。ずっとそばにいてね。おやすみなさい」
「陽菜もありがとう、いっぱい気持ちよかったよ。おやすみ」
当たり前のおやすみの言葉を交わしながら眠りに落ちる。陽菜は夕方も寝ていたくらいだから疲れていたんだろう、すぐに眠りに落ちてしまった。
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ちょっとした小話
「ふんふん、1日目はひよりちゃんと1枚。2日目はみおちゃんと4枚。3日目はひよりちゃんとみおちゃんに2枚ずつ計4枚使用っと……」
「うん、陽菜に言われた通り10枚じゃなくて20枚持って行ったけど一応10枚で収まったよ」
「使わないでお口とかでイっちゃった分は?」
ぎくぎくっ
「えっと、1日目にひよりのお口で、2日目と3日目はみおの口で1回ずつ……3日目に出したのを飲んだのはひよりだけど」
「じゃあ全部で12回……と。今回ので一気にみおちゃんがトップに立ったね」
陽菜がせっせとノートに数字を記録している。
「陽菜……えっと、陽菜と内容と回数で一番エッチするって話だけど流石に一番多いみおよりも陽菜が多ければ大丈夫とかそういう話だよね? 他のみんなの合計回数に一人で勝とうとかしてないよね? 自分で言うのも何なんだけど陽菜の体が心配になるから」
「それは恭介くんの愛情次第じゃないかな? ね、私の旦那様。
愛情たっぷりだったら回数なんて気にしないよ」
耳元でそう囁いてキスをしてくる俺のお嫁さんが可愛すぎて生理じゃなかったら最高記録を達成していたかもしれない。まだ結婚してないけどね。
というやりとりがベッドの上で繰り広げられたとかなかったとか。
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次回更新は9月9日です。
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