第264話 なぜ海賊が食べ放題なのか全く分からない
ふぅ……どうにか無事に帯広まで到着して今はホテルの大浴場で汗を流している。
ホテルに着くまでは新千歳空港から帯広までの移動はバスだったのでひよりもだいぶ落ち着きを取り戻しみんなで北海道の広大さに驚いたりした。まさに北海道はでっかいどうだ。
俺たちもそんなに都会に住んでるわけじゃないけどとにかく畑の一枚一枚のデカさが違う。帯広までバスで2時間半の移動というのも衝撃だった。普通にそれだけ移動したら隣の県に行けそうだし。北海道はデカすぎると思った。
帯広に着いて軽く下見がてら剣道の会場を外から眺めてホテルに向かった。会場は大きくて綺麗なアリーナでこんな立派な会場で試合するのかとひよりのことながら気合が入った。
そのまま、俺はひよりが予約していたシングルルームにチェックインして、ひよりとみおの2人は俺が予約したダブルの部屋。顧問の近藤先生も別のシングルルームに泊まることになった。
夕食はホテルのレストランでみんなで食べることにしたのでその前にお風呂に入っている。
「恭介、ばいきんぐというのはすごいな。なんでも食べ放題なんだそうだ。なぜ海賊が食べ放題なのか全く分からないが、十勝牛と蟹が食べ放題だぞ!」
ひよりが人生初のバイキングにやたら興奮している。明日の朝も朝食バイキングのはずだからちょっと食べる量に気を付けてやらないと危険だろうか。お腹がぽんぽんになるまで食べて動きが鈍くなるとか陽菜じゃないんだから大丈夫だよな?
なにしろ今のひよりは死の恐怖(飛行機)から生還したばかりで生きる喜びに満ちている。いつもなら試合前にこんなに浮かれることはないだろうけど今はポンコツ具合が酷い。
「ひよりっち、バランスよくとらないと……ああ、そんなにお肉ばっかり一度にとったら大変だから」
みおがついて回ってフォローしてくれているから大丈夫かな? 二人ともホテルの浴衣に着替えているからちょっと艶めかしい。
近藤先生もニコニコしながらそんな二人を見つめている。
「多々良くんはずいぶんと落ち着いているのね。もうちょっと浮かれてもよさそうなのに」
「ええ、楽しんでますよ。一応仕事でもあるんです。ほら、俺と藤岡さんは光画部でもあるんで卒アル委員なんです。今日の写真も
俺とみおはそれぞれカメラを持参してレストランに来てバイキングの写真も撮っている。みおにいたってはそれなりに名前のあるインフルエンサーとしてホテルに連絡を入れて料理の写真などもインスタグラムにアップする話をしっかりしていた。
「それにしても、
一見お堅い先生に見えるが藤岡のようなギャルでも色眼鏡でなく見てくれていい先生だと思う。
流石に俺たち高校生と違って小食なのかちょっと豪華な晩ご飯って感じで近藤先生のプレートの上はとてもシンプルにまとまっていた。
ありとあらゆるものを山盛りで持ち帰り、戦利品だとばかりドヤ顔をしている刀剣女士は可愛いが、後で後悔する所まで含めて写真に収めてやろう。
ひよりが取り過ぎるのを見越して最小限しか料理をとってきていないので後で余らせた分は俺が食べてやろうと思う。
想像以上にお腹がいっぱいになってしまった。俺の泊まるシングルルームは和室。
陽菜とメッセージのやり取りをして最後に「おやすみ」のスタンプを送る。いつもの就寝時間には早いが布団を敷いてその上で横になると移動の疲れが出たのか少しうつらうつらしてしまう。
ブゥゥゥブゥゥゥ
飛行機の中からマナーモードにのままにしていたスマホがそのままの設定で振動して着信を知らせてくれる。
画面を見るとひよりからの電話だ。
「もしもし、どうしたひより。そろそろひよりは寝る時間じゃないのか?」
時計を見ると早寝のひよりの就寝時間は少し過ぎているくらいか。
『恭介の部屋にちょっと行ってもいいか? 部屋番号は分かっているから』
「ああ、もちろん。待っているから気を付けてくるんだぞ」
『ふふふ、私より強いものなどそうそういないがな』
「それでもひよりは可愛い女の子だから」
『そうやって女の子を大切に扱うから私みたいに面倒な女に惚れられるんだぞ』
嬉しそうにそういうとひよりは電話を切った。貞操逆転世界で俺の感覚で紳士的に扱うとそういう風に感じるのか。
和室の部屋と洋室の部屋ということで俺の部屋とひよりとみおの部屋は階が違うので少し待つことになる。
ブゥゥゥブゥゥゥ
今度はメールの着信。みおからだ。
『ひよりっちのことは任せた。今日は譲る』
ん、どういうことだ?
コンコンッ
扉がノックされる。ドアスコープを覗くとひよりが一人で立っていた。
ガチャッ ドアを開いてひよりを招き入れる。
「やっぱり和室の方が落ち着くな。洋室だといまいち落ち着かなくて。今日はいろいろあって疲れているはずなのに眼が冴えてしまって」
部屋を予約する時に陽菜と2人で泊るつもりだったから洋室を選択して悪いことをしたな。座卓の上に置いてあったポットから白湯を湯のみに入れてひよりに渡す。緑茶にもカフェインが入っているから余計に眠れなくなったら困るし。
「明日は2人部屋を和室に変更して貰うように頼んでみるよ」
ひよりが一番寝やすいように、インターハイの主役のひより中心に考えないと。
「えっと、それじゃあひよりが寝る邪魔にならないように俺はみおの部屋に行くから……」
立ち上がろうとするとひよりがぎゅっと俺の浴衣の袖をつかむ。
「恭介、今夜は一緒にいてくれないか。みおちゃんにも言われたんだ。恭介と一緒にいさせてもらって心と体の感覚を取り戻した方がいいって……
飛行機に乗ったくらいで調子を崩して本当に情けないし、抱いて欲しいなんて思うのは浅ましいとも思う。本来なら自分で立て直さないといけないことだし、断ってくれてもいい。
それに試合を前に無理をするつもりもないし激しくしてくれなんて言わない。ただ恭介がそれでもいいと思うならそばにいて欲しい。私のことを愛して貰えると嬉しい」
立ち上がりかけた俺を今にも涙がこぼれそうな潤んだ瞳で見上げるように懇願してくる。
こんなの断れるわけがないよな。俺に出来る限り優しくしてあげたいと思う。
ひよりの浴衣の帯を解いて浴衣を緩める。ふぁさっとひよりの上半身があらわになる。白いブラをしているがカップの盛り上がりの全然ないブラ。ひよりの背中側に手を回してブラを外す。
ひよりの胸が見える瞬間、ひよりが素早く手で隠す。
「今日は陽菜ちゃんもしずくちゃんもいない……こんな女らしくない体で恭介は興奮してくれるのだろうか?」
ひよりが恥ずかしそうに言うので無言で自分の浴衣を脱ぐ。ガチガチに大きくなってテントを張った俺のパンツがひよりの目の前に突き付けられる。
「脱がしてみたら俺がどれだけひよりに興奮しているか分かるよ……ひよりは俺から見たらすごく可愛い女の子だから」
「恭介……ありがとう」
つっかえるように引っかかるパンツをずり下ろしたひよりは大切なものを触るように俺のものを握ると気持ちよくしてくれた。口まで使って感じさせてくれる。
なんとか我慢しないとと思うがひよりの口の中で我慢しきれず果ててしまう。
「ンンンッ……っ……ンッ、ゴクンッ」
喉を鳴らすようにしてひよりが飲み込む。俺の独占欲で
興奮が抑えられなくなった俺は無理させないようしようと思っていたのにひよりのふくらみのない胸の先端を指と舌で欲望のままに責めてしまいたっぷり感じさせた後、白い可愛らしいパンツも脱がせて指で感じさせて乱れたひよりと一つになった。
コンドームを付けて最初は優しくつながる。ひよりは幸せそうな表情で迎え入れてくれた。
「ひより」
「恭介っ」
お互いの名前を呼びながらキスをする。だんだん激しくなる動きの後、そのまま繋がったままで果てる。
お互いの荒くなった息をゆっくり整える。2人で剣道の稽古をした後のみたいな落ち着く時間。
繋がったままのひよりから寝息が聞こえてくる。
「ひ、ひよりさん!? ぎゅぅって抱きしめられちゃってるんだけど……ひよりさん寝たら抱き枕にされて朝まで離してもらえないって聞いてるんだけど?」
純粋に力が強いのか、何か体術的なものなのか俺の力ではびくとも動かない。
いったん起こせばいいのかもしれないがせっかく寝ついたひよりを起こすのも申し訳ない……がこのままだと締め付けが気持ち良すぎて一向に萎えそうにない。ひよりの肌が密着して温かいし。ペッタンコの胸でも先端の感触が俺の肌に伝わっているし。
どうしたらいいんだろうと思っているうちに俺も移動の疲れからか睡魔に襲われてそのまま眠ってしまったのだった。
翌朝2人で真っ赤になったのは言うまでもない。
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相変わらずひよりは寝相が悪い。寝相がいいという本人の説明は何だったのか。
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次回更新は9月1日です。
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