第259話 陽菜の気持ち、ハーレムの理由

 結局、しずくとひよりともエッチなことをしてしまった。


 一晩中エッチし続けるとか自分でもどれだけケダモノなのかと思うけど、陽菜としずくとひよりという3人の魅力的な女の子達を前にして俺の性欲はとどまることがなかった。


 変な言い方だけど、女の子って一人一人皆違うんだって思い知らされたし。

 いや、生涯陽菜一人でいいと思っていたのは本当だ。陽菜とヒナの2人とエッチした時点で俺の中の幸運の総量が決まっているならもう全部使い果たしたと思っていたし、2人のことを本当に愛しているから。

 ヒナの方がちょっとスレンダーで陽菜がプニプニだけどそれは違いとしてはあるけどやっぱり同じ陽菜とヒナで、締まりが陽菜の方がいいとかそういう違いは俺だけが知っていればいいことで……って脱線した。


 そんな俺がしずくとひよりとエッチしたら女の子ってこんなに違うんだってはっきりわからされた。もうね、しずくの柔らかくてエッチに積極的で好奇心旺盛なところとひよりの奥手でちょっと緊張してて筋肉質でスレンダーなところが本当に対照的で、飽きるどころか一晩でも足りないくらいだった。

 しずくは知識はあるけど実践が初めてでおっかなびっくりだったし、ひよりは度胸はあるけど性知識がチンプンカンプンだから授業でちゃんと習っているはずのコンドームさえも「というのか……」とか言っていたから保健体育のテストは大丈夫だったのだろうか?


 1回ごとにコンドームをしてエッチをしてエッチが終わるごとにちゃんと交換して、3人から舐めて貰ったりお返ししたりエッチしたりして一晩が短いと感じるほどあっという間で濃密だった。


 朝、ゆうきに今日の部活は体調不良で休むとラインしたら「お見舞いに行こうか」と返ってきたので慌てて大丈夫だから今日はゆうきも休んで欲しいと伝えた。

 部長がサボるようじゃダメダメだからちゃんと考えないと。

 みんなの気持ちは嬉しいけど他の大切なことをないがしろにするような爛れた関係になったらみんなの友達や親にも悪いし。


 明け方少しだけ寝た後、昼過ぎまで4人でイチャイチャしてしずくとひよりの二人が帰っていった。

 ふぅと一息ついて陽菜のベッドに寝っ転がった(シーツはもちろん交換した)俺に向かってニコニコしながら陽菜が言う。

「今日はみおちゃんとまるちゃんが来るから頑張ってね、恭介くん」


 ・

 ・・

 ・・・


 毎日こんな生活していていいのかなと思うけど、陽菜の希望でありみんなも望んでいることなので自分もやりたいようにさせてもらう。

 結局のところ、俺はみおのことものどかのことも大好きなのだ。


 みおの裸は一昨日の夜にほとんど見ていたが、やっぱり綺麗だった。というかエロい。

 他のみんなは処女だけどみおだけは経験豊富な女の子のエロさがあった。って言っても色素が沈着してるとか形が違うとかそういう意味じゃなくてアソコもすごく綺麗だったんだけどなんて言うか動作一つ一つが艶めかしい。そんなみおが他の男に抱かれてきた(みおの方が抱いていたに近いかもしれないけど)経験があるってことにちょっと嫉妬のような気持ちを抱いてしまう。

 ずっと気の置けない友達として男友達の延長みたいに付き合っていたみお相手にベッドの上で自分がこんなに興奮するとは思わなかった。


「今までエッチしたどんな男よりも気持ちよかったよ、恭っち」

 なんて耳元で言われるとそれだけでもう一回お願いしたくなるくらい。


 のどかに関しては全く逆で高校生にしては低い身長(陽菜も低いけど)に成長していない感じの強い未発達な体で手を付けちゃダメなんじゃないかと躊躇するくらいだった。あそこもつるつるだし。

 成長済でつるつるの陽菜と違って、のどかは今からでも何年かして成長したら生えてきそうなところが逆に罪悪感を持たせてくるくらい。成長期はほぼ終わって過ぎてるはずなんだけど……


 でものどかも高校生だし俺と一つになりたいって望んでくれている。もし俺とのどかだけだったらうまく出来なかったかもしれないくらいきつかったけどみおの協力もあってどうにか一つになることが出来た。

 その後はいろいろと感じすぎて怖かったみたい。ゴメンね。


「きょーちんもみおちんもイジワルなんだよ! あんなにされたら頭の中が気持ちイイでいっぱいになってわーってなるんだよ。師匠だけなんだよやさしいのは」

 なんて言って陽菜に甘えていたが、俺とみおが2人だけでエッチしようとすると嫉妬して参加しようとするのが可愛かった。




 そんなこんなで仲良しグループの女の子全員とエッチしてしまったし、みんなの気持ちは凄く伝わってきたし、この世界での居場所もしっかりと実感できた。

 この貞操逆転世界に来た時にハーレムは作らないようにしようと思っていたのに完全にハーレムを作っちゃってるけど。


 だけどこうなるとやっぱりよく分からないのが陽菜だった。

 正直陽菜は独占欲の強い、嫉妬深い性格だと思う。そのこと自体は俺もそうだし、独占したいくらい俺のことを求めてくれているのは正直嬉しい。

 そんな陽菜がなんでこういう決断を下すことが出来たのかが俺には割り切れていなかった。陽菜がこうしたことが不思議で仕方なかったのだ。


 陽菜が俺と同じ状況になった時に俺に同じ判断が出来るかと言ったら無理だと思う。いくら仲が良くても陽菜が他の男に抱かれるとか死んでもイヤだし。じゃあ陽菜は? なんで陽菜は今回の決断をすることが出来たのか?


 そんな疑問について聞くことが出来たのは次の日の夜だった。


 その日は誰も訪ねてこなかった。だからその夜は陽菜と2人きりでめちゃくちゃイチャイチャ愛しあった。

「陽菜、それ気持ちイイよ。すごく上手になったね」

 陽菜が上目遣いで舐めてくれるのでそのままイキそうになる。みおの指導のおかげで陽菜も陽菜のしたいようにエッチなことが出来るようになったから。


 陽菜の口には出さずにコンドームを付けてもらって繋がる。みおに教えてもらったらしいけど口で付けるのはやりすぎな気がするから禁止した方がいいかも。

 エッチすぎるから。陽菜はハレンチ。そのことを口に出すと怒られるけど世界で一番エロ可愛いと思う。


「陽菜、愛してるよ」

 陽菜の耳元でつぶやいた後、陽菜にキスをする。キスしたまま繋がると本当に一つになったっていう実感が凄い。

「恭介く……ん、私の方こそ愛してるから」

 陽菜も気持ちを全部伝えてくれる。陽菜が愛おしい。そのまま陽菜の中で果てた。



 二回戦して二人で一緒に達した後、腕枕していた陽菜を抱きしめるようにして会話する。

「陽菜、正直に聞かせて。陽菜って俺のことが好きで、たとえ俺のためであっても他の女の子とエッチなんてして欲しくないって思ってるよね。

 なんで今回こういう風にみんなとエッチしてもらうようなことをしたの?

 みんなとの繋がりを再確認させるだけならまるとしたみたいなキスだけでも俺は自分の思い違いに気付けたよ?」

 実際俺が立ち直ったのはあのとのキスがきっかけだったと思う。


「そうだね。他のみんなには話せないけど恭介くんにだけは話しておくのもいいかもしれないね。

 恭介くん、あのね、私は恭介くんやみんなより早く死んじゃうと思うんだ」

「陽菜ッ!?」

 思わず咎めるような叱るような声が出てしまう。そんな俺を陽菜は口づけ一つでやさしく黙らせる。


「あのね、恭介くんだって知ってるよね。私は心臓を移植したから免疫抑制剤を飲み続けないといけなくて、その影響で病気になる可能性がすごく高くなってる。

 合併症になる可能性だってあるし、事故とかにあわないで普通に寿命を迎えたら恭介くんよりずっと先に死んじゃうと思うの」

「そんなことは……」

「ううん、最後まで話させて。恭介くんがみんなを受け入れた今なら話せるから。

 先にこの話をしちゃっていたらきっと恭介くんはますます私に依存して私が生きてる間だけ私と生きようって思って私がいなくなったら孤立してた。この世界で一人っきりになるところだった。」

「否定はしきらないけど……でもそれでも先に話してくれていれば」


「ううん、先に話してたら私を失う怖さだけが先に立ってちゃんと考えて今の状況を作ることが出来なかった。

 だから、今の状況が作れたから言うけど私は恭介くんに家族を作って欲しいの」

 真剣な陽菜の目。昔の泣き虫だった陽菜はどこに行ったのだろう。こんな話をしながらもしっかりと俺の目を見つめてくる。


「家族って……陽菜が結婚してくれるんだろ?」

 当然のように言うと陽菜が真っ赤になる。

「私だって恭介くんと結婚するつもりだよ。恭ちゃんにして貰ったプロポーズは私の宝物だし。もちろん恭介くんの子供を産んで家族を増やしたい。

 でもね、最後に私が先にいなくなってそれからひよりちゃんやしずくちゃんが家族になろうと思っても大変だと思うの。私だって少しでも長く恭介くんと一緒にいたいから全力で生き抜くつもりだし。

 そしたら、しずくちゃんやひよりちゃんは多分ずっと恭介くんを待ち続けておばさんになってもおばあちゃんになっても独り身だと思うのね。だって恭介くんの代わりはどこにもいないから。

 恭介くんは一人だけだから。それは私が一番知ってるから」

 そこまで褒められるほどの男かどうかは分からないけど陽菜がそう思ってくれるならそうなりたいと思う。


「それでみんなとも今すぐにでも家族になって欲しいって思ったってことか……陽菜の気持ちは分かったよ」

 それが陽菜の気持ち、ハーレムの理由だった。陽菜が俺に残したかったものこそが今の状況の先にあるものなのだ。


 ぎゅぅっ


 陽菜を強く強く抱きしめる。

「いたいよ、恭介くん。私はどこにもいなくなったりしないから。万が一先に死んじゃっても魂はずっと恭介くんのそばにいるから」

 魂があるのかどうかなんて考えるまでもない。こうして俺や陽菜が世界を越えて入れ替わっているんだからがきっと存在しているのだ。

 それでも俺は生きている陽菜にそばにいて欲しい。陽菜がそばにいてみんながいて家族になって。そんな日々を過ごしていきたい。


「うん、うん……陽菜にはずっとそばにいて欲しい。みんなと一緒に幸せになりたい」

 陽菜にすがりつくようにして抱きしめながら泣く俺を陽菜は聖母のようなまなざしでずっとなで続けてくれた。

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 最終回の後に続けるなら書こうと思っていたもう一つの結末がここです。思えば遠くに来たなぁって思います。

 寝取られからの異世界との入れ替え、からの両片思い、からの両想いをさらに超えてハーレムまで、ついにたどり着きました。


 237話の最終話でハッピーエンドを迎えましたが、あの時点では本当の意味で恭介と陽菜が世界と繋がれたわけではありませんでした。

 あのままの二人ではいずれ孤立してしまっていたかもしれません。物語としてのハッピーエンドですが、この世界の恭介たちだからこそも一歩踏み込んでみたくなったというのが作者の思いでした。

 結果としてのハーレムという形になっていますが、それぞれの気持ち、世界との関係がなければ成立しなかった極端に言えばこの物語でなければ成立しない特殊な形だと作者は思っています。

 

 次回からは平常運転に戻ります。いつものようにバカなことをしながら時々エッチでときに本気になる恭介たちをお付き合いいただけるならこれからもよろしくお願いします。



 ストックに余裕が出来たのでしばらく毎日更新にします。

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 次回更新は8月27日です。

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