第258話 私だけの恭介くん 私たちの恭介くん(陽菜視点)
「……朝まで一睡も出来なくても抗議は聞かないから」
そう言ってから恭介くんにキスをする。
昨晩のみおちゃんの前でのエッチもそうだけど人前でこういうことをするのはすごく恥ずかしい。
みおちゃんに先生になって貰った時は繋がってるところまで全部見られちゃったわけだから今さらかもしれないけど。
それでも今回はしずくちゃんとひよりちゃんからの視線をすごく感じるし2人が恭介くんのことをどれだけ好きかは私も知っているから。
こういうのは勢いが大事かもしれないけど、今日はちゃんとしないと多分変な誤解やしこりが残っちゃいそうだから恭介くんと私たち3人で四角形になるようにクッションを置いて座る。
「恭介くん、正直に答えて。嘘ついたらダメだよ。今いる世界がどうとかそういうことを置いて、恭介くんに私という
しずくちゃんとひよりちゃんが他の男の人とエッチしたらどう思う? 二人の初めてを他の誰かに奪われると思ったら平気でいられる?」
この質問はとってもズルいと思う。ただ、私が誰ともエッチしたことがなかったことを恭介くんが内心ではすごく喜んでいたことを私は知っている。
バレバレなんだよ、恭介くん。
「あ、え? しずくとひよりの処女!? ってなんでそんな……」
恭介くんがちょっと焦ってる。ふふっ、真っ赤になっててちょっと可愛いかも。
「私もしずくちゃんも女だからそういう行為に興味はもちろんある。処女であること自体に価値など見出していないが初めては好きな人としたいと思っている」
「私もそうだよ、恭介さん。恭介さんが言うところの貞操逆転世界の女の子だから男の子とエッチしたいって思ってる。だけど好きな人としかエッチはしたくないの。恭介さんもそうだと思うけど違うの?」
しずくちゃんとひよりちゃんが身を乗り出すように恭介くんに左右からつめ寄っている。
しずくちゃんの方はおっぱいが透けて凄い迫力だから恭介くんがひよりちゃんの方に顔を向けて一息ついた。
当然のようにひよりちゃんにほっぺたを摘ままれてつねられている。
「恭介……今の視線の意味を教えて欲しいものだが」
ギリギリッ
「
ひよりちゃんが手を離すと恭介くんが頭を下げて謝る。
「ひよりのつるぺたで落ち着こうとか思ってごめんなさい」
慌てて私はひよりちゃんを後ろから羽交い絞めした。
「ええぃっ! 陽菜ちゃん放してくれ。恭介を切る」
「落ち着いて、恭介くんはひよりちゃんの胸に逃げてるけどそれでもガチガチだから」
そう言って恭介くんを指さすとすごく大きくなっているのでひよりちゃんが真っ赤になって黙ってしまった。話が進まないからしばらくあれを見つめさせて黙っていてもらおう。
「しずくちゃんもひよりちゃんも恭介くんから見たら貞操逆転世界の女の子だからおちんちんが大好きなの。でも誰のおちんちんでもいいわけじゃなくて、一番好きな恭介くんのおちんちんだから欲しいって思ってるんだよ」
「ひ、陽菜ちゃん? それだと私たち「恭介さんのおちんちん」が一番好きみたいに聞こえちゃうから……お願いだからおちんちんの話から離れて」
む、私がおちんちんの話ばっかりしてるみたいに言われる。ちょっと心外だ。
「まあ、俺がこっちの世界に来た頃から陽菜はおちんちんって言葉だけはなぜか平気で口にするからな~」
私以外の三人がうんうんと頷いている。正直心外。そしてこんなに深刻で真面目な話をしてるはずなのにすっかり場が和んでしまった。
「陽菜おいで」
恭介くんに手招きされる。クッションから立ち上がって恭介くんの前まで行くと抱きしめられた。
「つまり、陽菜は俺がこの世界に受け入れられているって実感を持つためにしずくとひよりともエッチなことをして愛しあったらいいんじゃないかって思ってるってことなんだな。 陽菜はそれで後悔しない?」
「分からない。恭介くんとまるちゃんがキスした時も本当のところが分からないままキスして貰ったから、それにみおちゃんにはエッチなことを教えてもらって逆にみおちゃんにはエッチなことを我慢して貰って……何が正解かなんて分からないよ。
でも恭介くんにみんなの気持ちを分かって欲しい。みんなには恭介くんに愛されてるって思って幸せになって欲しい。私のことを一番大切にして欲しい……全部本心でグルグルしてて」
ちゅっ
恭介くんがキスしてくれる。優しいキス。
「愛してるよ陽菜。何があっても陽菜が一番だから。キスもエッチも回数も内容も何もかも全部陽菜が一番になるようにする。陽菜がもしも俺が他の人とエッチするのがイヤになったら途中でも止めていいし、その時はこれから先二度と他の女の子とエッチしない。
元々陽菜以外とエッチする気なんてなかったんだから」
「恭介くん……ンッ」
今度は私の方からキスを求める。深くつながるキス。私だけを求める情熱的なキスを返される。私だけの恭介くん。私たちの恭介くん。恭介くんの唇が離れる。
「しずく、ひより、2人のことは本当に好きだ。処女だって貰いたいし……2人のことをずっと独占したい。一生そばにいて欲しい。
でも俺の一番は陽菜から変わることはないし2人とは結婚も出来ないと思う。そんなひどい男に本当に抱かれてもいいと思ってる?」
「その言葉だけで十分だ恭介。一生セックスもしないで人工授精で恭介の子供だけ産ませて貰おうと思っていたのだ。恭介と愛し合えるならそんなに幸せなことはない」
「私も恭介さんが好き。頭の中はエッチなことでいっぱいのむっつりでドスケベな女だけど本当に欲しいと思ったのは恭介さんだけだから」
2人のまっすぐな思い。
恭介くんも覚悟をしてくれた。
この世界でも元の世界でもこんな関係ってないかもしれない。
許されるのかどうかも分からない。
大変なこともいっぱいあるだろう。
私だって嫉妬しちゃうかもしれない。
誰かが私が一番でいることがイヤになって一番を奪い取ろうとするかもしれない。
でもそんなことは関係ない。
恭介くんの居場所を作ってみんなで幸せになりたい。
絶対の正解がないならこれが私が思いついた正解の形。
恭介君を連れてベッドに上がる。恭介くんの服を脱がして恭介くんを背中から抱きしめる。恭介くんはベッドに足を伸ばして座った状態。
しずくちゃんとひよりちゃんがおずおずとにじり寄ってきて恭介くんの右足と左足にそれぞれまたがる。2人とももう真っ赤でそれでも幸せそうで。
恭介くんがしずくちゃんとひよりちゃんとキスをする。
一度は完全に振られて諦めたはずの2人だからこそきっと今本当に幸せだろうと思う。
思わず後ろからぎゅぅっと恭介くんを抱きしめる。恭介くんが私の気持ちに気付いて振り返ってキスしてくれる。2人にしたよりももっと情熱的なキス。きっと私は大丈夫だ。恭介くんも、みんなも幸せになれる。
そこから先は思い出しても真っ赤になっちゃいそうなくらいエッチだった。
しずくちゃんのスタイルの良いすごくエッチな体も、ひよりちゃんのスレンダーで綺麗な体も恭介くんが余すところなく攻めて2人は初めてで痛かったはずなのに凄く幸せそうで。
逆に3人がかりで恭介くんをたくさん気持ちよくして。みおちゃんにいろいろ教えてもらったおかげでちゃんとエッチなことが出来た。
せっかく3人がかりなのに3人とも自分から何もできないんじゃ恭介くんを悦ばせることなんて出来ないもんね。
私のことも何回も愛して貰って……使用済みのコンドームが2桁になった頃には夜が明けて4人で狭いベッドで重なるように寝てしまった。
このどろどろのベッドのままで明日から寝るのちょっとイヤだなっていうのが私の最後の記憶だった。
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誰かに何かを言われたとしてもこれが恭介と陽菜が選んだみんなとの形。
次回で陽菜の本心が語られます。今回は1日2話更新。
19時に次回を更新します。
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