第一部 十二章 どうしてこうなった? マズくて白いあの液体!?
第174話 委員長がメガネしていない!?
4月10日、ついに春休みが終わって俺たちは2年生になった。
今俺は陽菜と一緒に今日が始業式の高校に向かって歩いている。
春休み中ほぼ毎日朝のランニングで一緒だった俺と陽菜は学校が始まると同時に朝の時間がなくなるのが何となく寂しくて、昨日の朝のランニングの時に一緒に登校する約束をしていた。
別に手を繋ぐわけでもなく、何をするでもなく二人でただ並んで歩く時間。こういう時間が一番幸せに感じるようになっている。
陽菜に腋毛を剃って貰ったおかげであの翌日から水泳部の練習に参加することが出来た。
ちゃんとラッシュガードも着てスパッツタイプの水着で現れた俺をゆかり先輩が褒めてくれたので嬉しくなって「ほら、つるつるです」って剃って貰った腋を見せたらまた鼻血を噴いてピクピクしていたので申し訳ないことをした。
見せたのが右腋だったんだが「き、キスマーク……」と呟きながらプールサイドに鼻血でダイイングメッセージを書こうとしていた。何のことだろうか……
正直ゆかり先輩は金髪ではっきりした感じのタイプの顔立ちだし、巨乳でエッチな体をしているし真面目だけどすぐに鼻血を出すほど性欲過多でドスケベだし……俺がこの世界でエッチ目的のハーレムを作るんだったら100%声をかけていただろうと思う逸材だ。
ハーレムを作る気なんて全くないから関係ない話だけど。
「もう、恭介くん何考えてるの? 鼻の下伸びてるよ」
陽菜との阿吽の呼吸というか、ツーカーの仲になってきたのはいいけどエッチなことを考えるとすぐにばれるようになってきてて困る。
こういうエッチなところに鋭いところはやっぱりさちえさんの娘なんだなって思う。
「ごめんごめん……春休み中のことを思い出していて」
「桜祭りとかいろんなイベントがあったけどエッチなことなんてあったっけ?」
「アハハ……」
笑ってごまかす。
あの「傾部の男子、水泳部の魔の10分」の動画を藤岡が淫スタグラムに投稿したので、
説教の際に女子にしてはいけないと思いつつアイアンクローをかましてしまったのだが、痛い痛いと言いながらイッてしまったのでもうこのモンスターをどうにかする手段はないかもしれなかった。説教して3時間正座させても悦ぶだけだし。
藤岡との交渉の結果、俺の乳首と女子部員の皆にモザイクを入れて貰えることになったが、俺の顔とか裸はそのまま公開され続けているのは納得がいっていない。が、それ以上隠すと視聴数が伸びない、いつも写真撮影とか協力している見返りが欲しいと言われると他に差し出せるものが体くらいしかないない俺には選択肢がなかった。
「おはようございます、恭介さん」
「恭っちはよー」
「おはようなんだよ、きょーちん」
委員長と丸川と藤岡が三人で歩いてきて合流する。あれ? 委員長がメガネしていない!?
それにいつもの大きな三つ編みにした髪型も、今日はちょっとお嬢様っぽくストレートにした髪を一部だけ後ろの方でまとめていてとても清楚な感じで似合っていた。お嬢様っぽい雰囲気にあいさつを返すのにちょっと緊張してしまう。
「お、おはようしずく……みお、まる」
「おはよう、しずくちゃん、みおちゃん、まるちゃん。今年は一緒のクラスになれるといいね」
陽菜が右手をギュッと握ってフンスと息を吐いているのでみんなで笑ってしまった。
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