第152話 元の世界の小学生の頃の陽菜みたい
とにかく陽菜を近くの車止めみたいな金属のポールにつかまり立ちさせておいて俺はレジャーシートとひざ掛けを回収してショルダーバッグにしまう。
いつだったか俺が小烏道場で正座して生まれたての小鹿みたいになったことがあったが陽菜は1時間近い時間を硬い地面の上で正座して、しかも膝枕していたわけでそれは足がしびれてるのも仕方ないしほとんど俺のせいだよな。
なら俺が責任取るまでのことだ。
プルプルしている陽菜の目の前まで行って背中を向けて腰を下ろす。
「陽菜、おんぶするから俺の背中に乗って」
「えっ? え~~!? お、おんぶ?……おんぶぅっ!?」
陽菜が若干壊れてる気がする。こっちの世界のヒナは小さい頃多々良恭介にあんまりおんぶして貰ったことがないのかな?
元の世界の陽菜は小さい頃沢山おんぶしてあげたのでおんぶ慣れしてた。こういう所も違うんだなぁと思う。
「歩けないんだろ。ほら、おんぶするから背中に乗って」
「う、うん。あ、恭介くんのジャンバーは? 返そうか?」
陽菜が聞いてくるがそのままでいいと答える。雨の中陽菜を背負った小学生の頃を思い出す。あの時は傘で守って貰って、今は背中を温めて貰おう。そしたら陽菜は俺のジャンバーで温かいし。
「大丈夫、脱いだら陽菜が寒いから。それに陽菜が背中にいてくれたら温かいから」
「わ、分かった。重たくっても許してね」
「鍛えてるから」
「むぅ、そこは重たくないよって言ってくれる場面じゃないの?」
二人で笑い合う。
ぴょんと飛びつくように陽菜が背中に乗ってきた。懐かしいような初めての感覚。
ふにょんっ。何しろ最後におんぶしたのは元の世界での小学6年生の時、4年以上ぶりだしあの頃にはなかった大きなおっぱいがある。
おんぶをされたことがないにしては陽菜は上手に背中に飛び乗ってしがみついてくる。
まるで元の世界の小学生の頃の陽菜みたい。息がぴったりですごくおんぶしやすい。
これなら背負い直したりタイムロスなしにすんなりさちえさん達と合流できそう。
って言うか、背中に当たる大きな胸の柔らかい感触と手で支えてる(ちゃんとスカート越しだ)太ももの感触が柔らかすぎてもう下ろす気にならない。
一生背負っていたい。
いいなぁ……一生陽菜を背負う生活。物理的にも生活的にも陽菜を背負って生きれるならそれはそれでありだろう。
「恭介くん、本当に重くない?」
「気にし過ぎだって。鍛えてるから」
「だからそこは軽いって答えるところ~」
そんなやりとりを続けながら笑顔で家族と合流して、家に帰った。
え? 合流までおんぶしてたかって……当たり前でしょ。さちえさんにからかわれた陽菜が真っ赤になってたけどね。
流石に二人とも疲れてるだろうから、明日のランニングはお休みってことにしておやすみなさいをした。
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丸川のおんぶも陽菜が上書き?
これにて桜祭り編終了です。
沢山のヒロインが入れ替わり立ち代わりで華やかなイベントになったのではないでしょうか。作者としては三バカトリオでスタートした三人がちゃんとヒロインやっている現状が幸せです。
次回は逆にヒロインが一堂に会します。パジャマパーティーでお泊り会レディーゴー!
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7/8,9は1日5話特別公開
6,9,12,15,18時の1日5話更新となります
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